プロ野球亭日乗BACK NUMBER
おバカキャラでも球場では常に正装。
元木大介が持つ指導者の資質と財産。
posted2020/06/01 20:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
新型コロナウイルスの感染拡大でプロ野球の開幕が延期となる中、チームや選手とファンとのコミュニケーションツールとして活用されたのが球団公式のインスタグラムやツイッター、YouTubeなどのSNSだった。
どのチームもインスタ中継や公式YouTubeチャンネルなどで工夫を凝らした動画配信を行っているが、巨人のインスタ中継で、改めて注目が集まったのが元木大介ヘッドコーチだった。
現役引退後はテレビタレントとしての仕事を多くこなし、そこで鍛えられた巧みな話術で、日本テレビの「ズームイン‼サタデー」の巨人情報レギュラーだった宮本和知投手チーフコーチと共に大活躍。
宮本コーチとの対談や単独での出演ではファンの質問に答えたり、若手の選手との掛け合いを見せたりと、コロナ禍の中で改めてそのコミュニケーション能力の高さを示すこととなったのである。
「巨人の恥」と怒るOBの声。
タレント時代の元木コーチの“代名詞”といえば「クイズ!ヘキサゴンII」でのおバカキャラである。
「元木さんといえばヘキサゴンというイメージ!」――インスタライブでも若手の湯浅大内野手から、こういじられる場面があったほどで、どうにもあの番組で染み付いたイメージが、世間の見る元木大介なのである。
それだけに一昨年オフに原辰徳監督に請われて14年ぶりにコーチとして巨人のユニフォームを着た際には、球界関係者からは不安の声が噴出し、「タレントコーチ」と揶揄する陰口があったのも事実だった。
確かに「クイズ!ヘキサゴンII」で見せていた元木コーチの姿はおバカだった。司会の島田紳助さんにいじられ、「巨人の恥」と怒るOBの声をいく度となく聞いたこともある。