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ダービーでコントレイルに雪辱を。
サリオスに流れるハーツクライの血。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/05/29 19:00
無敗の二冠を狙うコントレイル。勝利すれば父ディープインパクト以来15年ぶりとなる (写真は19年ホープフルS)。
矢作師と福永はダービー2勝目なるか。
コントレイルは27日の水曜日に最終追い切りを敢行。栗東の坂路を単走で半マイル52秒6-ラスト1ハロン12秒4の好時計をマーク。皐月賞の最終追い切りが同52秒9-12秒4だったから、変わらず好調を維持していると考えて良さそうだ。
これには共同会見でコメントした矢作調教師も「真っ直ぐ駆け上がり、非常に良かったと思います」と顔をほころばせて語った。2012年にはディープブリランテでこの大一番を射止めている伯楽が、2勝目を手にする可能性はかなり高いのではないだろうか。
勝てばダービー2勝目となるのは鞍上の福永祐一騎手も同じ。2年前にはワグネリアンで悲願のダービー制覇を成し遂げたが、レース後にはホッとした表情で次のように語った。
「馬(ワグネリアン)はダービー馬ディープインパクトの仔だし、オーナー(金子真人氏=馬主名義は金子真人ホールディングス)も調教師(友道康夫調教師)もダービーを勝っているのに僕だけは勝っていませんでした。『これで負けたら僕のせいだな……』と少なからずプレッシャーになりました」
おそらく1番人気に推されるであろう今回はワグネリアンの時以上に重圧がかかる立場となる。しかし今回は彼の立ち位置そのものが違う。彼自身、ダービージョッキーとなって東京の2400メートルという舞台に戻って来たのだ。またもディープインパクト産駒で是非、2度目のダービー制覇を成し遂げてもらいたいものだ。
サリオスに流れるハーツクライの血。
一方、打倒コントレイルの先鋒となるサリオスはハーツクライ産駒。現役時代は無敗の三冠馬ディープインパクトに有馬記念で土をつけたのがこのハーツクライだった。
同馬自身がそうだったように産駒もある程度距離のあるところで仕事をする仔が多い。そんな血統的な背景を考慮すると、400メートル延長されるここで逆転の目があっても不思議ではなさそうだ。