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マキロイたちがキャディ無しプレー。
チャリティで彼らのゴルフ愛を再認。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2020/05/19 11:50
ローリー・マキロイとダスティン・ジョンソンがペアを組んで専属キャディ無しという豪華で素朴なチャリティマッチ。
キャディがいないことでゴルフ愛が際立つ。
いざ、セミノールGCにやってきた4人の選手たちは、全員、軽快な短パン姿で軽量のスタンドバッグを自ら背負っていた。
ショットするたびに、バッグに下げたタオルでクラブを丁寧に拭き、リュック式の専用バンドでバッグをひょいと背負って歩き出した彼らは、トッププレーヤーというより、むしろカレッジゴルファー、アマチュアゴルファーの雰囲気を醸し出していた。
そのせいか、若々しさや親しみやすさも溢れ返っていた。専属キャディがおらず、何から何まで自分でこなしながらプレーしている状態は、ゴルフを愛する彼らのありのままの素顔を、自ずと浮き彫りにしていたのかもしれない。
静かな「サンキュー」。
TVクルーやカメラマンらはマスクを着用。選手とルール・オフィシャルはノーマスクだったが、ペアどうしでもお互いにソーシャル・ディスタンスを心がけ、コース上で選手に話しかけるTVレポーターも距離を空けながらインタビューを行っていた。
バーディーパットを沈めたときも、スキンズ(賞金)を獲得したときも、これまでのように相棒選手と派手なガッツポーズやハイファイブをすることなく、無言でカップからボールをピックアップ。やや離れた場所から相棒が「ナイス!」と声をかけ、静かに「サンキュー」と返すのが精一杯のやり取りだった。
「ハイファイブをしたかった。ハイファイブぐらいできたらいいのにと思ったけど、今は我慢するしかない。いろんなことが変わっていく。しばらくは以前とは異なることが多くなると思う。でも、みんなで慣れていくしかない」
マキロイはやや淋しそうにそう語りながらも、自身に言い聞かせるように「慣れよう」と前向きな姿勢を見せていた。