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丸山茂樹が片山晋呉と話したこと。
「プロアマ、ホスピタリティとは」
posted2018/07/24 16:30
text by
丸山茂樹Shigeki Maruyama
photograph by
Kyodo News
片山晋呉選手がプロアマ戦で、アマチュア選手に不適切な対応をしたという問題が起こってから1カ月以上が経ちました。本人に加えて、青木功JGTO会長、石川遼選手会長が出席した会見を、痛恨の思いで見ていましたし、今も男子ツアーの仲間たちと話し合っています。
個人的には「僕らの頃、昔の時代が良くなかったのかな」と反省します。
1990年代には試合もたくさんあって、スポンサーもたくさんついてくれて、そういう恵まれた環境の中で、明確な規定がなかったものですから、自由にやっていた部分があります。その悪い部分が、時代が変わっても残ってしまったのだと思います。
片山本人ともあの後、話をしたんですが、「指摘されたような悪い部分が目立っていたところがあったから、この結果になったのは仕方ないよ」と言いましたし、彼も反省していました。二度とあってはいけないことです。
それと同時に今回の件で、「ホスピタリティ」というものを改めて考えました。
アメリカでプロとアマの関係はほぼ平等。
例えば、アメリカのPGAツアーでも、日本と同じようにトーナメント前日の水曜日にプロアマ戦が行われるのですが、プロとアマの関係は限りなく50、50に近いです。
朝、挨拶を交わして「昨日の野球見たかい? あそこで、あんなボールを投げるなんて信じられないよ」というスポーツの世間話から始まります。僕は英語が十分じゃなかったこともあって、通訳のできるマネージャーに同行してもらっていました。
それでも「いつもテレビで見ているよ。あのショットはどうやって打つんだい」と話しかけてくれて、「いいかい、見ててよ」と打って見せる。フランクに楽しくラウンドして、「また会おう」と別れます。その後のパーティーへの出席は選手にとって義務ではないですし、ストレスも少ないはずです。