ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
ブンデス運営が見せた秩序と気概。
長谷部誠&鎌田大地には苦い再開に。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2020/05/18 11:50
無観客試合で、長谷部誠ら選手も徹底した対策の中で実施されたブンデスリーガ。それでも多くの人がスポーツを観る喜びを再確認したはず。
レストランなどでは名前・住所を記入。
通常は肩を組みながら応援歌を歌ったり、ゴールシーンで大歓声が湧き上がったりするところ、今回はさすがに慎ましく、穏やかにテレビ画面を凝視していたのが印象的でした。
現在、レストラン、カフェ、バーなどを利用する際は、ウイルス感染が明らかになった場合に経路を追跡する名目で名前と住所の記入が義務付けられているため、お客さんは少々窮屈な思いをしているかもしれません。
鎌田&長谷部のフランクフルトは……。
それにしても、アイントラハトは本当に不甲斐なかった。
試合開始から35秒でFWアラサン・プレアに先制点を決められ、6分後にFWマルクス・テュラムに追加点を挙げられて早々に2失点という体たらく。先発した鎌田大地は攻撃にアクセントをつけていましたが、アドルフ・ヒュッター監督が採用した4-1-2-3システムが機能しないのか、センターフォワードのバス・ドストは最前線で孤立するばかり。
左サイドのフィリップ・コスティッチはいつものように孤軍奮闘していましたが、相手守備網に包囲されてしまい、ジブリル・ソウとセバスティアン・ローデの両MFは攻撃をオーガナイズできず。アンカーのシュテファン・イルザンカーは、最後まで攻守の連結役をこなせませんでした。
4バックもぎこちない動きが目立って、センターのダビド・アブラアムとマルティン・ヒンターエッガーは守備対応に追われ、両サイドのアルマミ・トゥーレとエバン・エンディッカは攻撃参加のタイミングを計れずGKケビン・トラップが終始矢面に立つなど、チーム全体が機能不全に陥っていたのが気がかりです。
結局、ヒュッター監督はリーグ再開からの特別ルールとして採用された「交代枠5人」を使い切り、ベンチスタートの長谷部誠も74分にアブラアムと代わって出場しましたが事態は好転せず、1点を返すに留まりホームで1-3と惨敗を喫してしまいました。