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祝、2カ月ぶりブンデスリーガ再開!
ではドイツの街は今どうなってる?

posted2020/05/17 13:30

 
祝、2カ月ぶりブンデスリーガ再開!ではドイツの街は今どうなってる?<Number Web> photograph by Getty Images

ドイツの街なかにあるスポーツバーの風景。お酒を飲み交わしながら“3密”で観戦することは、まだできない……。

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本田千尋

本田千尋Chihiro Honda

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 たまに行くクリーニング屋のおばちゃんは、今日からブンデスリーガが再開することを知らなかった。

「ブンデスリーガ? また始まる? 知らないわ。サッカーには全く興味がないの」

 5月16日、新緑が風に揺れる初夏のデュッセルドルフ――。

 ごめんなさい、と笑って答えてくれたおばちゃんは、新型コロナウイルスの対策には抜かりがないようだ。

「マスクをしているし、レジの前に消毒液もあるわ」

 ばっちりよ、と言わんばかりのおばちゃんの笑顔は、マスクの上からでも分かった。

 次に、アパートメントの一階にあるカフェの隣の、サッカーくじ売り場の受付の男に聞いてみた。もちろん職業柄、男は“再開”することを知っていた。

「無観客試合だから、ベストではないけれど、良い解決策だと思う。人々とフットボールにとってね」

 ついでにカフェの店員にも聞いてみようかと思ったのだが、止めた。

 僕が住んでいるデュッセルドルフがあるノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州では、今週11日の月曜日より条件付きで飲食業の再開が認められたが、そのカフェは準備が整っていないのか、まだテーブル席のある店は開けていない。軒先でアイスクリームやコーヒーを売って毎日を凌いでいる。そんな彼らに、ブンデスリーガの再開についてどう思う? といった質問をするのは、なんだかすごくマヌケな感じがしたのだ。

昔と同じ日常は、もう戻ることはない。

 ちなみにサッカーくじ売り場の隣はスーパーマーケット。

 現在、スーパーに入場するにあたってはマスクの着用が義務付けられ、店内では他人と1.5mの距離を取る必要がある。3月半ばから本格化したロックダウンの最中に棚から消えたトイレットペーパーやパスタは、次第に戻ってきていた。

 しかし、4月下旬から段階的に小売店の営業禁止措置などの緩和が進められてはきたものの、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の日常は遠い。

 他人との距離などさほど意識せず、自由だったかつての日々に戻りたいという考えが、もはや虚しく意味のないものに感じられる。

 僕は感染症の専門家ではないので詳しいことは分からないが、ワクチンが完成したとして、世界中の人々に行き渡るまでにどのぐらいの年月を要するのだろうか。

【次ページ】 感染の第2波は「確実に来る」。

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