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ブンデス運営が見せた秩序と気概。
長谷部誠&鎌田大地には苦い再開に。 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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posted2020/05/18 11:50

ブンデス運営が見せた秩序と気概。長谷部誠&鎌田大地には苦い再開に。<Number Web> photograph by Getty Images

無観客試合で、長谷部誠ら選手も徹底した対策の中で実施されたブンデスリーガ。それでも多くの人がスポーツを観る喜びを再確認したはず。

テレビ向けインタビューが面白い構図。

 今回、ブンデスリーガは動線(セクション毎に行動できる範囲)をピッチ、スタンド、スタジアム外の3ゾーンに分け、メディアはスタンドでの活動のみに制限されたため、ピッチゾーンで行動する選手とは接触できませんでした。

 そのためスタジアム内にあるメディアルームや記者会見場は閉鎖されたまま。試合後にミックスゾーンが設けられることもなく、選手個別の取材対応はありませんでした。

 一方、テレビ向けの監督、選手インタビューは行われたのですが、これがなかなか面白い構図でした。

 スタンド最前列付近に立ったインタビュアーが対象者を見下ろすような形で質問をし、それに対してピッチに立つ選手、もしくは監督が遠くから答えたのです。5mほどの距離はソーシャルディスタンスを保つための配慮で、このスタイルならば飛沫感染の心配もないといった具合でした。

ゴール後の“濃厚接触”はお咎めなし。

 無観客で行われたゲームは、やはり淋しげな雰囲気を醸していました。

 ただ、ボールがゴールネットに突き刺さったときの「ズサッ!」という音は新鮮でしたし、白熱した攻防の際には互いの選手以外にコーチングスタッフやピッチ脇でウォーミングアップしている控え選手などの大声も聞こえて、それなりの臨場感が伝わってきました。

 とはいえゴールの後は、抱き合ったり握手したりするセレブレーションは控えるようにとのお達しが出ていたため、選手たちは肘を合わせるなどして祝福の意を示していました。

 ホッフェンハイムvs.ヘルタ・ベルリンではヘルタのDFデドリク・ボヤタがMFマルコ・グルイッチの頬にキスするなど濃厚接触してしまいましたが、その後DFLは「報告書では、セレブレーション問題について助言と説明がなされた」としながら、法的拘束力がないことから「お咎めなし」との見解を示しました。

【次ページ】 ドルトvs.シャルケの会場周辺も閑散。

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