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槙原寛己以来、完全試合達成なし。
過去と現代野球に見る難易度アップ。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKyodo News

posted2020/05/18 08:00

槙原寛己以来、完全試合達成なし。過去と現代野球に見る難易度アップ。<Number Web> photograph by Kyodo News

2020年開幕前時点で、日本プロ野球最後の完全試合を達成した最後の人物・槙原寛己。果たして令和初の大記録は生まれるか。

2007年日本シリーズの山井→岩瀬。

 それは先発投手の「完投してやろう」という意識が、以前より薄くなったことも一因かもしれない。9回を投げるためのペース配分ではなく、まずは7回まで投げられれば――というものだ。

 それについて年配の野球評論家が「今どきの投手は完投能力がない」と言うのはあながち間違っていない。ただし、そもそも完投を求められていないのだ。だから“今どきの投手”の責任ではない。

 2007年の日本シリーズでは中日の山井大介が日本ハムを相手に8回までパーフェクトに抑えながら、落合博満監督は9回にクローザーの岩瀬仁紀を送った。結果的に2投手での完全試合になったが、もし山井が達成していたら、日本プロ野球史上唯一の大記録になっていた。

 山井のケースは「完全試合は実力に加えて幸運に恵まれないと達成できないが、人為的に止まることもありえる」のを周知するものとなった。

出でよ、新ミスターパーフェクト。

 MLBでもワールドシリーズの完全試合は、1956年にヤンキースのドン・ラーセンが記録した一例があるのみ。

 現在解説者を務める槙原寛己は、テレビでは「ミスターパーフェクト」と呼ばれることもある。筆者の記憶では、それ以前の達成者である今井雄太郎や八木沢荘六、高橋善正が「ミスターパーフェクト」と呼ばれたことはない。

 26年も達成者が出ないことで、キャリーオーバーのような形で槙原寛己の名声が高まっている印象だ。

 コロナ明け、ペナントレースが開幕して26年ぶりの完全試合が達成されれば、野球界だけでなく、日本中にとっても明るい話題になる。

 だからこそ「いっちょやってやろうか!」と思うような投手が、ぜひ出てきてほしいものだ。

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