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ドラフト指名ボーダーの選手たちを
大学の監督が自らプレゼン!1/4
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHachinohe Gakuin University
posted2020/05/25 11:30
八戸学院大学の4年生、大道温貴。大学通算20勝5敗、150kmのスピードはプロの目にどう映っているだろうか。
青森大で本格的に投手を始めた才能。
青森大・遠藤暉世己投手(えんどう・きせき、投手・187cm87kg・右右・稚内大谷高)のことは、高校時代から見ていた。
当時は長身の大型一塁手。暴投になった一塁牽制球をフェンスまで追ったとっさのスピードと、ぬかるんだ地面で体勢を崩しながらもドンピシャストライクの二塁送球を見て、「こりゃあピッチャーだろう」と思った。
「そうなんです。本格的に投手に取り組んだのは大学に入ってからなので、最初の2年間は徹底的にトレーニングで鍛えました。よく辛抱したと思います。コツコツ、コツコツ、ほんとに努力家です。
北海道のいちばん北の果ての稚内の原野で、寒い中、人知れず地道に18年を過ごしてきた……まさに、そんな育ち方がリアルに想像できるような青年です」
2年秋からチョロッと実戦で投げ始め、昨年2シーズンは終盤2、3イニングの抑え役として奮投した。
「三振がとれるヤツなんで、抑えとしてすごく頼りになるんです」
「大学生でこの奪三振率はなかなかいない」
青森大OBの三浦忠吉監督は、社会人・JR北海道で外野手、マネジャーをつとめた。着任4年目、今年39歳の青年監督だ。
「あのガタイから投げ下ろして角度のある速球が、去年の秋で147、8キロ。このまっすぐで空振りがとれて、ドロップっていうんですか…横ぶれのない真タテのカーブとタテのスライダーは、こっちのリーグではまず打たれない。
去年の秋は26イニングで33奪三振。大学生でこれぐらい奪三振率の高いピッチャーって、なかなかいないと思いますよ。強力な勝負球があって、力でも抑え込める。ウチの守護神なんです」