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ドラフト指名ボーダーの選手たちを
大学の監督が自らプレゼン!1/4
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHachinohe Gakuin University
posted2020/05/25 11:30
八戸学院大学の4年生、大道温貴。大学通算20勝5敗、150kmのスピードはプロの目にどう映っているだろうか。
八戸学院大の左右の4年生投手。
「大道と中道が、両方とも絶好調で4月の開幕を迎えたんですよ! そんなこと、今までなかったのに、そこでコロナでしょ。いつもみたいにリーグ戦があったら勝ててたんじゃないかな……。ほんと、悔しいですよー!」
普段はあまり表に感情を表さない八戸学院大・正村公弘監督が、珍しく声を張っていた。それだけの確信があったのだろう。
大道温貴(おおみち・はるき、投手・178cm78kg・右投右打・春日部共栄高)、中道佑哉(なかみち・ゆうや、180cm74kg・左投左打・八戸学院野辺地西高)。右と左の二本柱は、昨季の3年時からチームの根幹になっていた。
体感に表示が追いついた150km。
昨年暮れ、松山・坊っちゃんスタジアム。
右腕・大道温貴は高めに跳ね上がるような快速球で全国から集まった学生球界屈指の打者たちから空振りの三振を奪っていた。
「まっすぐが強くてフォームも悪くなかった。ボールはとっちらかってましたけどね。そこからステップを踏みながら、故障もなく順調に成長してきましたね、大道は」
この春、4月初めには「150キロ」に達していたという。
「もともと、体感スピードで勝負するタイプだったのが、それにスピードガンの表示が追いついてきた。去年の秋からよくトレーニングしてましたからね。走り込み、筋トレ、下半身のボリュームなんか別人みたいですよ。秋に悔しい負け方したのと、やっぱり本人、今年にかける意欲が本気だったんじゃないですか。
体がパワーアップしたぶん、今までみたいに首振って無理して投げなくても、ボールが走ることがわかったみたいでね。これ、ピッチャーにとっては、世界が変わるほど大きな成長なんですよ」