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Kリーグ開幕は世界が注目している。
Jが参考にすべき点、邦本の活躍は?
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byVictor Fraile/AFLO
posted2020/04/27 20:00
開幕に踏み切ったKリーグ。今季から王者・全北現代に移籍した邦本(左)の奮起にも期待したい(写真は2月ACL対横浜F・マリノス戦)。
当面は無観客、入場制限の緩和策も。
では、Kリーグの試合方式は今後、どのような形で行われるのだろうか。
開幕が遅れたことで、リーグ戦の試合日数も短縮される。Kリーグ1部、2部ともに27ラウンドに変更された。一日の感染者数が一桁台に推移してきているとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、しばらく「無観客」で行われる。感染者数が減っているとはいえ、人が集まれば集団感染も危惧されるからだ。
韓国プロサッカー連盟広報担当のイ・ジョングォン氏は4月24日の理事会でこう語っている。
「断定するのは難しいが、社会的な距離(ソーシャルディスタンス)を置くことが緩和され、生活防疫に転換されることがもっとも重要な基準になるだろう。スタジアムでの野外活動が可能だという雰囲気が形成されなければならない」
また、観客を入れる時期については「すべての座席を一気に解放するよりも、まずは制限する。防疫方法を最大限に順守しながら、段階的に進める考えだ」と、入場制限をかけながら、少しずつ緩和していく方針だ。
収益戦略は不透明、最悪のケースも想定。
ただ、無観客での運営は、ホーム開催のクラブにとって、金銭面での損失が大きい。入場料が得られず、ファンのグッズ販売などもまったくない状態。連盟や各クラブでは収益の戦略に関しては頭を悩ませており、具体案は出ていないのが現状だ。
それに、設定された27試合(レギュラーシーズン22試合、最終ラウンド5試合)は、シーズン終了までスムーズに試合が行われた場合のもので、懸念が完全に払しょくされたわけではない。
心配なのは、選手やクラブスタッフや関係者に新型コロナウイルスの感染者が出た場合だ。
サッカー専門サイト「インターフットボール」は「韓国プロサッカー連盟はいくつかのケースを想定している」と今後の同連盟の対策について伝えている。
「もし感染者が出た場合、チームは最低2週間、試合を行わず、該当するチームの試合は延期される。試合当日に選手やコーチ、審判などからコロナ感染が確認された場合は、試合は即時中断する」
また、感染者が確認されたチームの試合は中断されても、ほかのチームの試合は継続するという。しかし、感染者がいくつかのクラブから同時多発すれば、「リーグを中断するか、再開が難しければ、リーグ終了も想定している」という。最悪の状況を想定しながら、シーズン開幕を迎えるということだ。