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Kリーグ開幕は世界が注目している。
Jが参考にすべき点、邦本の活躍は?
posted2020/04/27 20:00
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
Victor Fraile/AFLO
ついに韓国のKリーグが開幕を迎える。韓国プロサッカー連盟が24日に理事会を開き、5月8日に全北現代と水原三星の開幕戦を皮切りにリーグをスタートさせると発表した。そのほかKリーグ1(1部)とKリーグ2(2部)の第1節は、9日と10日に行われる予定だ。
今も世界各国でまん延する新型コロナウイルスの感染状況からして、韓国のプロリーグ開幕は正直驚きだった。
スポーツ紙『イルガンスポーツ』は「Kリーグの開幕は世界が注目している。Kリーグがアジアを代表するリーグだからでもあるが、より注目を集める理由は、新型コロナウイルスのためだ。韓国は新型コロナの感染拡大で危機を迎えていた国の1つだったが、これを克服したあとにリーグを開幕させた唯一の国家だからだ」と報じている。
一気に動き出した開幕への動き。
韓国サッカー界が早期のリーグ開幕に向けて舵を取ることできたのは、4月19日、感染症中央災難安全対策本部会議でのチョン・セギュン国務総理の発表がきっかけとなっている。
「4月20日から5月5日までは“社会的な距離(ソーシャルディスタンス)”を維持しつつ、一部の制限を緩和する。屋外スポーツも“無観客試合”など、危険度を下げられれば可能だろう」
スポーツ再開の可能性に政府が触れたことで、韓国サッカー界の動きが一気に加速したわけだ。知人の韓国人記者によれば「韓国では国会議員を選ぶ総選挙(4月15日)が終わったあとの最初の週末(4月18日)は、ソウル市内の人気の飲食店には行列ができるほど。少しずつ街中でも賑わいが戻りつつありますが、一方で気の緩みも感じます」とのことだった。
韓国では新型コロナウイルスの感染者数が減少しており、4月18日には61日ぶりにひと桁台に転じた。新型コロナの感染が「終息に向かっている」という精神的な安心感は、リーグ開幕にも大きく影響したようだ。
こうした状況の中、韓国プロサッカー連盟は、Kリーグ各クラブ間の練習試合の実施を無観客で許可。4月23日に水原FC(2部)と練習試合を行った仁川ユナイテッドのイム・ワンソプ監督は「サポーターがいないスタジアム、そしてマスクを着けて指示するのはもどかしいが、このような状態でも試合をすることができて幸せだった」と喜びの声を語っている。
いよいよ本気のサッカーができるという喜びを噛みしめ、各クラブが準備を進めているところだろう。