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ジェラード悪夢のスリップから6年。
リバプールに再び不運、それでも。
posted2020/04/27 11:30
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
前半アディショナルタイム、スコアは0-0。ホームのリバプールが自陣から攻撃を組み立てる。ハーフライン付近でコウチーニョが左サイドに張ったママドゥ・サコにボールを渡す。
サコは一度中央に戻す――ジェラードが滑った!
流れたボールをデンバ・バが拾ってドリブル、ミニョレとの1対1を落ち着いて沈める!
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チェルシーが先制――。
2014年4月27日にアンフィールドで行われた、プレミアリーグ第36節・リバプールvsチェルシーでの一幕。ここで説明するまでもなく、フットボールファンの中には今でも記憶の中に今でも鮮明に残っているかもしれない。
レッズファンはこの苦い思い出に苛まれ、はたまたシティファンには明るい思い出として残っていることだろう。
3試合を残した時点で首位を走っていたリバプールはこの大一番に敗れ、続くクリスタルパレス戦にも引き分けた。そしてシーズン最終盤にマンチェスター・Cに逆転を許し、悲願のプレミアリーグ初制覇が、文字通り手から滑り落ちてしまった。
決してこの試合、このシーンで2013-14シーズンの全てが決まったわけではない。それでも6年前の今日が、プレミアリーグにおけるリバプールの歴史の中で「最悪の日」であることは確かだ。
今季優勝は決定的、だったはずが。
2019-20シーズンのプレミアリーグは、リバプールの優勝が決定的といっても過言ではない。
第28節のワトフォード戦に敗れるまで、リーグ戦では開幕から負けなし。それも3ポイントを逃したのは引き分けたマンチェスター・U戦のみだ。29試合消化時点での勝ち点は驚異の「82」。2位のマンチェスター・C(28試合消化)との勝ち点差は「25」で、あと2試合勝利するだけで自力で優勝が決められる状況だ。
それだけではない。これまでシティが保持していた1シーズンでの最多勝利数、そして最多勝ち点記録を更新する可能性もある。17-18シーズンに樹立されたシーズン32勝、勝ち点100という2つの記録。リバプールは今季残りの9試合において、6勝で前者を、19ポイントで後者を更新することができる。