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Kリーグ開幕は世界が注目している。
Jが参考にすべき点、邦本の活躍は?
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byVictor Fraile/AFLO
posted2020/04/27 20:00
開幕に踏み切ったKリーグ。今季から王者・全北現代に移籍した邦本(左)の奮起にも期待したい(写真は2月ACL対横浜F・マリノス戦)。
再開の目処が立たないJリーグ。
一方で、Jリーグの再開はまだ見えていない。
4月23日のオンライン上での記者説明会で、村井満チェアマンが明かした見通しによれば、「再開日は最短で6月13日」とのこと。従前にJ1再開を予定していた5月9日から、1カ月ほど先延ばしした。すでに今季は降格のないシーズンとなり、J2とJ3から上位2チームが自動昇格することが決まっている。この場合、18チーム体制のJ1は20チームで2021年のシーズンが行われる。
しかし、これも今季リーグ戦の成立条件として、リーグ全体で75%以上、各クラブで50%以上の試合が実施された場合の話であり、このまま試合の延期が長引けば、全日程を消化できない可能性もある。
KリーグもJリーグも、昇格や降格の制度に関しては、予定した日程の試合を消化できた前提での措置であり、今後のことは誰も予想できないのが現状だ。
それでもKリーグには、一筋の希望が見えてきているのも事実。韓国では新型コロナ禍の終息が、少しずつ見えてきたからこそのリーグ開幕である。無観客開催での収益など、課題は山積みだが、大きな一歩には変わりないだろう。
Kリーグ王者へ移籍した邦本宜裕。
ちなみに5月8日の開幕戦では、今季から王者・全北現代に移籍した元Jリーガーの邦本宜裕の勇姿も見られるだろう。昨年は慶南FCの主力として、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の鹿島アントラーズ戦に出場し、決勝ゴールを決めたのは記憶に新しい。邦本は韓国で名実ともにナンバーワンクラブの全北現代に移籍したわけだが、今オフ、多くの国内メディアから取材を受けていた。
今年1月、スポーツ・芸能ニュースサイト「OSEN」がインタビューしているが、そこで邦本のことをこう評価していた。
「全北現代での適応は悪くはない。GKイ・ボムヨンとはアビスパ福岡時代、共にプレーしたことがある。韓国代表DFキム・ジンス(元アルビレックス新潟)やDFキム・ミンヒョク(元サガン鳥栖)は日本語が話せる。邦本も『個人的に僕は口数が多いほうではありません。でも、チームメイトたちがたくさん助けてくれる。常に声をかけてくれるし、いろんな話をしています』と語っている」
かつてのチームメイトやJリーグ経験のある韓国人選手も多いため、コミュニケーションは特に問題はなく、チームには溶け込むのは早かったという。さらに記事では「2列目からだけでなく、守備への貢献度とその能力も高い」と評価。
邦本自身も「自分の役割は明らか。攻撃的MFとして前線とサイドでボールをつなぎ、ゴールとアシストで貢献しなければなりません」と意欲満々に語っていた。
全北現代は2月12日、全州ワールドカップスタジアムで行われたACLのグループステージでと横浜Fマリノスと対戦。全北は1-2で敗れたものの、邦本はスタメンフル出場を果たしている。チームの信頼は厚い。
韓国内だけでなく、ぜひとも日本のサッカーファンにも朗報を届けてもらいたい。