プロ野球PRESSBACK NUMBER
ついにプロ野球人が立ち上がった!
新型コロナ禍の大規模寄付活動開始。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byMari Okada
posted2020/04/17 18:00
「自分もスポーツを通して社会貢献したい」という思いから、さまざまな慈善活動を展開している岡田真理。
慈善活動は「素晴らしいが、やらなくてもいい」?
そもそも日本で慈善活動というと「素晴らしいことだけど、別にやらなくてもいい」というイメージが強く、一般的にもまだまだ敷居が高い。
様々なケースがあるため、一概には言えないが……アメリカでは日本よりも寄付金税制が優遇され、調整後総所得金額(AGI)の最大60%まで控除することができる。日本ファンドレイジング協会の調査研究「寄付白書2017」によると、2016年の日本の個人の寄付総額は7756億円。対してアメリカは30兆6664億円と日本の約40倍であった。
国の成り立ちや文化が違うため単純比較はできないが、欧米の方が、慈善事業の仕組みが出来上がっており、普段から取り組んでいることは確かである。
実は……今回のプロ野球選手会の動きにも、事前に仕組みをしっかり整える裏方がいた スポーツライターでNPO法人「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(以下、BLF)」代表の岡田真理である。
「自分もスポーツを通して社会貢献したい」という思い。
BLFは日本では数少ない野球人のチャリティ活動の仕組みを整えて、サポートする団体だ。
プロ野球選手会に当基金の情報を提供したり、選手に寄付の概要を作成したり、寄付する選手の動画をアップし拡散するなど、今回の寄付活動は、岡田の働きなくして実現しなかった。
静岡県生まれの岡田は、立教大学卒業後、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の公開講座でマーケティングを専攻した。帰国後に、当時現役だった総合格闘家の須藤元気のマネージャーを務め、その後、スポーツライターに転身する。須藤の社会貢献活動のサポートをしたり、大リーグのチャリティ活動の取材をするうちに「自分もスポーツを通して社会貢献したい」という思いが強くなり、2014年にBLFを設立した。
すでに、福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大、オリックス・バファローズの吉田正尚、中日ドラゴンズの吉見一起らの慈善活動にも深く関わっている。
凛とした佇まいだが、会話の端々にジョークを交えてくるハツラツとした女性である。