ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
武藤敬司が語る伝説の高田延彦戦。
「プロレス史に残る作品が残せた」
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byAFLO
posted2020/04/07 20:00
1995年、禁断の一騎打ちとなった武藤敬司(右)と高田延彦の一戦。当時の記録を塗り替える6万7000人が東京ドームに駆けつけた。
武藤が語るレスラーの功績とは。
武藤は高田戦を振り返りこう語る。
「プロレスラーの功績の大きさというのは、どれだけ多くの人に影響を与えたかだと思うんだよな。だから力道山や(ジャイアント)馬場さん、猪木さんというのは、本当にすごかったと思う。で、ここ30年にかぎっていえば、やっぱり俺と高田さんの試合というのが、一番多くの人に影響を与えたと思うんだよ。
あれから25年近くが経ってるけど、あそこまで刺激的な試合はその後、プロレス界ではないからね。今の新日本でもあそこまでのものはまだ作れてない。俺と高田さんがやった10.9ドームの翌日は、スポーツ新聞全紙で一面だし、週刊プロレスだってあの時の号が歴代で一番売れたらしいから。そういうプロレス史に残る“作品”が残せたっていうことは、レスラー冥利に尽きますよ」