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ペレ、メッシ、ロナウドを滅多切り!
マラドーナ、10大舌禍事件を検証。
text by
ジャンマリー・ラノエJean-Marie Lanoe
photograph byL'Equipe
posted2020/04/07 11:40
長年比較され続け、ペレに対して怒り、悲しみ、そして時には病床のペレを応援したマラドーナ。
どこまでも噛み合わないペレとの比較。
(2)ペレについて・その1
「もう歳であるのは間違いないだろう。だってこの20年というもの彼は何もしていない。スーパーに買い物にさえ行っていないだろう」
ペレかマラドーナか――。
史上最も偉大な選手はどちらか、という尽きることのない議論である。
判断は各自に委ねるとして、マラドーナはペレを苛立たせることを止めない。インタビューでも辛辣な言葉を発している。とりわけ彼の年齢に関して。
1960年10月30日生まれのマラドーナは、1940年10月23日生まれのペレより20歳若い。ペレの年齢をからかうのは容易なことではある。だがそれは、お互いの偉大さとは何の関係もない。
ただ、昨年春にペレがサンパウロのアルバート・アインシュタイン病院に入院したことが、マラドーナのある種の感情を刺激したようだ。彼が語ったのは、ペレとの18年前の思い出だった。
「あれはリオだった。僕らはどちらももっと若くて……。キング・ペレよ、早くよくなることを願っている。まだまだ頑張って欲しいよ」
「ボカ対リーベルは特別だ」
(3)ボカ・ジュニオールについて
「僕はいろいろなクラシコでプレーしたけどボカ対リーベルは特別だ。信じられないぐらい胸が高まって、まるでジュリア・ロバーツと一夜を共にした気分だよ」
マラドーナはよく女性を引き合いに出してコメントする。たとえばこんな具合に。
「たしかに素晴らしいゴールだったけど最高ではなかった。ラクエル・ウェルチは最高だけど、ゴールとは言えないからなあ……」
アルヘンチノス・ジュニオルスで1976年から81年までプレーした後、ボカでは1981~82年と引退するまでの1995~97年を彼は過ごした。その間、リーベルとのクラシコでは、ライバルに苦汁を舐めさせたのだった。もちろん彼はそれを忘れてはいない。