オリンピックPRESSBACK NUMBER

2016年4月4日、高校1年生で日本新。
池江璃花子、衝撃の泳ぎと溢れる涙。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byKYODO

posted2020/04/04 11:50

2016年4月4日、高校1年生で日本新。池江璃花子、衝撃の泳ぎと溢れる涙。<Number Web> photograph by KYODO

2016年の競泳日本選手権、女子100mバタフライで優勝し、感極まる池江璃花子(手前は星奈津美)。

病との戦いも、池江の前向きさそのままに。

 いざ迎えた大舞台でも、バタフライで予選、準決勝、決勝と泳ぐたびに日本記録を更新し5位入賞するなど、物怖じしない思い切りのよい泳ぎを見せて、初めてのオリンピックを終えることになった。

 その後の活躍は言うまでもない。

 2017年4月の日本選手権では女子では史上初の5冠を達成。同年の世界ジュニア選手権では50m自由形、50、100mバタフライで優勝し大会MVPに。

 2018年にはアジア競技大会で日本選手史上初の6冠を達成。ときに苦しむ時期もあったが、順調に階段を上ってきた。日本競泳陣の柱の1人となった。

 2019年2月、白血病と診断されたことを公表。以降、療養生活に専念することになったが、今年3月17日、406日ぶりにプールに入ったことを晴れやかな笑顔の写真とともにSNSで報告している。

 打ちのめされてもおかしくない中、それでも失意に沈むままでなく、前を見据えて病と戦い、乗り越えようとする姿は、これまでに見せてきた池江の前向きさそのままであった。

 そしてそんな池江の、今も変わらぬ豊かな未来を思わせたのが、2016年の日本選手権だった。

 

関連記事

BACK 1 2 3
#池江璃花子
#リオデジャネイロ五輪
#オリンピック・パラリンピック

水泳の前後の記事

ページトップ