東大合格150人“あの”開成高の水泳部がリレーで「インターハイ初出場」のナゼ…快挙のウラにあった“エースの爆泳”「無我夢中で…それが良かった」

　開成中学水泳部（当時）の3人の活躍をひそかに眺めていたのが当時、埼玉県内の中学校に通っていた高本亮だった。

　高本は開成チームで平泳ぎを担当していた中出恵資の同学年に当たり、中3時の全中では個人メドレー2種目で入賞も果たしている。正真正銘、全国トップクラスの実力派スイマーだった。

「自分も中学受験は経験したんですけど、その時は開成を受けるようなレベルじゃなくて。それもあって、もともとちょっと憧れはあったんです」

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　そして個人メドレーで活躍していたとはいえ、中でも得意種目は背泳ぎだった。そこで、高本はある可能性に気付く。

「開成の選手たちが活躍しているのを見て、『あれ、これ俺が高校で開成に入ったら（メドレー）リレーも全国、行けるんじゃない？』と思って」

今年の4月に開成高に入学した高本。他の3人の活躍もあり、競泳面も視野に受験を決めたという　©︎Tadashi Hosoda

　開成は中高一貫がほとんどである進学校の中では珍しく、高校からの入学も可能な学校である。高校では1学年400人のうち、100人が高校からの入学者だ。そんなシステム上の幸運もあり、高本の思い付きは決して絵空事ではなく、実現の可能性がある話でもあった。

「俺、開成に行きますよ」…揃ったラストピース

　結局、高本はそのまま高校受験で開成に再挑戦することを決める。中3の春頃には、大会で出会った1学年上で開成チームのエースである滝沢知哉にこう宣言していたという。

「俺、来年、開成に行きますよ」

　その滝沢は、高本の宣言を受けても「入ってきてくれたなら嬉しいけど、『じゃあこれでリレーも全国に行ける！』と、すぐにはならなかったですね（笑）」と苦笑する。それもそのはずで、その時点ではまだ高本の入学に半信半疑だったからだ。

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