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新しい地図・香取慎吾×パラ柔道。
“世界最大級アスリート”の秘密。
posted2020/03/30 09:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Takuya Sugiyama
香取 大きい! 今までお会いしたパラアスリートの中でもダントツです。
正木 他の競技でこんな体があっても邪魔なだけですから。身長は191cm、体重は150kgちょいで、他競技の代表選手にもだいたい会ってますが、自分より大きい人には会ったことありませんね。
香取 正木選手は100kg超級ですが、世界にはもっと大きな人もいるんですか?
正木 以前はいました。リオで金メダルをとったウズベキスタンの選手は本人が195cmで160kgだと言ってましたね。正確な情報がないのですが、リオ後は引退をしたのか、今は大会に出てきていません。
香取 じゃあ世界最大級の体をもつパラアスリートですね。でも、その肉体を保つのは大変じゃないですか? 食べようと思っても食べられない選手もいると聞きます。
正木 太りやすい体質で、食べたらほとんど吸収しているんだと思います。普段は1日にご飯を6合食べるんですが……。
香取 6合?
正木 今は4月の国際大会に向けて減量をしたいので3合に抑えてます。
視力はその時々で変動するが。
香取 もっと食べたいのに抑えてる?
正木 はい。基本は自炊をしているのですが、6合が1日に食べるお米の量としては一番ちょうどいいと感じています。
香取 ちょうどいい、の感覚が全然わかりませんね(笑)。パラではクラス分けも重要ですが、柔道も分かれているんですか?
正木 3つのクラスがあります。全盲がB1、弱視も視力や視界の広さによってB2、B3に分かれていて、僕は大会ではB2と認定されることが多いです。ただし、試合はすべてのクラスをまとめてしまいます。
香取 あ、そうなんですね。正木選手はどれくらい見えているんですか?
正木 視力はその時々で変動するのですが、0.05くらい。柔道で組み合う距離でようやく顔がわかる程度なので、こうやって3mくらい離れてお話をしていると顔が全然わかりません。先ほど道場で組ませてもらったときに初めて香取さんの顔が認識でき、「あ、テレビで見ていた方だ」と急に緊張してきました(笑)。