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100キロ級で「柔道3冠」を目指す。
ウルフ・アロン、1年延期のメリット。

posted2020/04/03 07:00

 
100キロ級で「柔道3冠」を目指す。ウルフ・アロン、1年延期のメリット。<Number Web> photograph by KYODO

2017年の世界選手権に続き、昨年、平成最後の全日本選手権を制したウルフ・アロン。「柔道3冠」に向け、残すは五輪のみだ。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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KYODO

 東京2020オリンピック(東京五輪)の新しい日程が、'21年7月23日~8月8日になることが発表された。

 コロナ問題の先行きが見えない不安に変わりはなく、いまや恐怖感も万人共通だが、選手たちはスケジュールが決まったことを前向きにとらえようと必死だ。

 柔道男子100キロ級の“東京五輪代表内定選手”であるウルフ・アロン(了徳寺大職員)もその一人だ。

 延期が発表されてから間もないタイミングで、卓球や陸上のマラソンなどが内定選手の権利を継続させることを表明した半面、全柔連は「再選考の議論もある」とし、内定選手の扱いを宙ぶらりんにした。

男子で史上8人目の「3冠」を目指す。

 これについてウルフは「'20年までに一番強かった選手がそのまま選ばれるべきだと思う」と複雑な胸中を吐露。

 しかし、東京五輪を最大のターゲットとして突き進んでいこうという気持ちにブレはない。

 ウルフが目指すのは「柔道3冠」だ。

 日本の柔道界では全日本選手権、世界選手権、五輪の3タイトルを獲得している選手を「3冠」と呼ぶ。

 過去に達成している男子選手は7人のみ。

 猪熊功、岡野功、上村春樹、山下泰裕、斉藤仁、井上康生、鈴木桂治だ。五輪での正式採用が'92年バルセロナ大会からである女子は阿武教子と塚田真希の2人だけとなっている。

【次ページ】 100キロ級の選手の3冠は井上康生が最後。

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