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Vリーグ入替戦中止で食い違う解釈。
混乱を招いた原因、Jリーグとの差。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byV.LEAGUE
posted2020/03/25 15:00
V2・2位のヴォレアス北海道は、3月14、15日の入れ替え戦でV1・10位のVC長野と対戦する予定だった。
「プロセスをオープンにしてほしい」
ヴォレアスの要望は「緊急時対策規程7条4項に基づいた大会打ち切りを撤回し、2019-20V・チャレンジマッチ男子大会を延期にすること」、「開催時期は3月~5月を予定し、3月は無観客試合も想定すること」、「新型コロナウイルスの収束等、大会の開催が可能となった場合には緊急時対策規程7条3項に基づき、V・チャレンジマッチを開催すること」、「上記の対応が困難な場合、ヴォレアス北海道をV1の11番目のチームとする特例措置を設けること」の4つである(株式会社VOREAS公式HPより)。
池田社長は言う。
「わたしも人間ですから、その後、コロナウイルスの被害の大きさを見て、リスクがゼロでない中で『開催してほしい』とこのまま言い続けていいものかと考えるときもあります。でも選手たちを抱えているし、地元の自治体、スポンサー、サポーターの皆さんのことを考えると『言い続けるのをやめる』なんて簡単に言えません。まずはこの問題をきちんと考えてほしいし、これまでのプロセスをオープンにしてほしい。真摯に対応してほしいです」
今でも再試合を信じて練習を続けている選手には、かける言葉がないと語った。
リーグ側は「説明はしている」
一方、沖事務局長の証言は、少し違う。
「決断に至るまでに、チャレンジマッチに参加する2チーム(VC長野トライデンツ、ヴォレアス北海道)に、連絡はもちろんしました。話もしました。長野さんはやりたがっていたけれど『この状況であればしょうがないですね』という反応でした。北海道さんは『なんとかやれないんですか』とおっしゃっていました。そのあとも、その前も、もちろんずっと電話でやり取りはしていて、説明はしています」
ただし、中止となった原因が明らかにされてこなかったのは事実である。そのためにSNS上では「VC長野側が裏で手を回したのでは?」、「ヴォレアスのファンが長野を誹謗する書き込みをしている」など憶測でのコメントが投稿され、中止の決定発表以降、不穏な空気が両チームのファンの間には流れている。
では、何が起きたのか。沖事務局長は言う。