バレーボールPRESSBACK NUMBER
Vリーグ入替戦中止で食い違う解釈。
混乱を招いた原因、Jリーグとの差。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byV.LEAGUE
posted2020/03/25 15:00
V2・2位のヴォレアス北海道は、3月14、15日の入れ替え戦でV1・10位のVC長野と対戦する予定だった。
掲げるハイブリッドリーグとは?
企業スポーツの良点を残し、「ビジネス化したハイブリッドリーグ」だと言いつつも、運営面では企業や各都道府県バレーボール協会に頼る部分が大きく、体育館使用の優先順位も他の競技に後れを取っている。チャレンジマッチの会場探しについては、近年では集客の少なさもあり、使わせてくれる会場がなく「お願いして何とか受けていただいた」(沖事務局長)と、チャレンジマッチ開催発表の直前に決まった背景がある。
新型コロナウイルス感染症の流行による中止をきっかけに、今後の運営のためにV.LEAGUEには、まだ克服しなければならない課題が多いことが露呈した。
Jリーグと比較してしまう。
救済措置として残されているのは、ヴォレアスが提出した要望書にある「1部リーグへの昇格」である。奇しくも時期を同じくしてJリーグでは、降格なしの自動昇格、チーム数を増やして来季を戦うという方針が発表された。
一方、Vリーグは1部リーグの優勝決定戦の前に行われた記者会見の2月29日以降、入れ替え戦に関する嶋岡会長のコメントは一切聞こえてこない。「目標に向かって頑張る姿を奨励したいという狙いからJ2・J3リーグからの昇格は実施する」と、チーム、選手を守ろうとするリーダーがいるJリーグと、今回のVリーグの混乱を、どうしても比較してしまうのである。
V・チャレンジマッチでは今後、どのような進展がみられるのか。注目していきたい。