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鹿島の新スタイルは間に合うか。
異例の公開練習試合で4失点敗北。

posted2020/03/24 11:30

 
鹿島の新スタイルは間に合うか。異例の公開練習試合で4失点敗北。<Number Web> photograph by AFLO

プレシーズンマッチから出場している期待のルーキー、荒木遼太郎。スタイル「変更」ではないだけに適応ははやいか。

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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AFLO

 新型コロナウィルスの感染の広まりで、Jリーグの開催が中断されてから約1カ月が過ぎた。日本だけでなく、欧州ほか南米など世界中でも広まり、試合観戦の楽しみが奪われている。

 世界各地では、トレーニングもできないアスリートが多いが、Jリーグでは日々トレーニングが行われている。シーズンが開幕したばかりでの中断がどのような影響をクラブにもたらすのかはクラブそれぞれ異なるだろうが、鹿島アントラーズはこの事態を逆手に取ろうとしている。

 元日に天皇杯決勝戦を戦い、1カ月足らずで新シーズンを迎えた鹿島。しかも、「今まではリフォームで補ってきたけれど、ここで新築しないと先がない」と、ザーゴ監督以下スタッフを総入れ替えしたチームは、ACLプレーオフに敗れた(0-1)だけでなく、ルヴァンカップ対名古屋(0-1)、リーグ開幕戦対広島(0-3)と公式戦3連敗で苦しいシーズンのスタートを切っていた。

「ほとんどキャンプができず、練習試合もやれていなかった。公式戦ではあるけれど、試合をしながら、監督が目指すサッカーを構築できるようにしていきたい」と語った選手もいる。

新監督が掲げた明確な新スタイル。

 スキルの高い選手が集まり、勝利のために最善を尽くす。試合の内容以上に「結果」に強くこだわり、タイトルという果実をもぎ取ってきた鹿島。2018年にはACL優勝を果たし、毎シーズン優勝争いを繰り広げる常勝軍団だが、優勝からは3シーズン遠ざかっている。2016年にCSでのリーグ優勝は飾ったが、シーズン通してのリーグ制覇は2009年以来ない。

「ボールを保持し、ゲームを支配するサッカー」

 ザーゴ新監督は明確にスタイルを掲げ、チームの改造に着手した。

【次ページ】 新スタイルの確立は道半ば。

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