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二度の世界大戦以来の中止危機。
セリエA次第でEURO延期も現実味。

posted2020/03/17 19:00

 
二度の世界大戦以来の中止危機。セリエA次第でEURO延期も現実味。<Number Web> photograph by Getty Images

ヨーロッパにおける新型コロナウイルス感染拡大の中核となっているイタリア。この状況ではカルチョを楽しむことはできない。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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“まさか”ではなく、“やはり”だった。

 セリエAの選手から新型コロナウイルス(COVID-19)陽性患者が出るのは、時間の問題だった。

 3月11日、ユベントスのDFダニエレ・ルガーニにCOVID-19の陽性反応が出たとき、国全体の感染者数が2万人を超えたイタリアにさしたる驚きはなかった。プロスポーツ選手だからといってウイルスは手加減してくれない。

 翌12日にサンプドリアのFWマノロ・ガッビアディーニ、13日にはさらに4人に加え、サンプドリアのチームドクターにも陽性反応が出た。感染選手の数は3月14日までに合計3クラブ、11人に上っている。

 政府措置で、選手が1人でも感染すれば所属クラブ全体が活動停止に陥らざるをえない。ユベントスはアニェッリ会長以下クラブ職員、スタッフ総勢120人が自宅隔離状態にある。中断前に対戦したインテルや、サンプと当たったベローナも同様だ。

セリエAの対応が今後を決めるか。

 セリエAはいつ、どうやって再開されるのか。

 もし再開されなかったら、タイトルは?

 残留争いは?

 そして、6月12日にローマで開幕するはずのEURO2020の行方は?

 未曾有のコロナウイルス禍によって欧州5大リーグすべてが中断されたいま、最も被害の激しいセリエAの対応は、今後の流れを読み解く指標になるかもしれない。

 問題は“進行中だった2019-20年シーズンをどういう形で終わらせるか”というフォーマット設定にある。

【次ページ】 4月3日の即再開案は意味を成さず。

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