スポーツ百珍BACK NUMBER
久保建英のリーガ奮闘ぶりを検証。
ヒデ、香川の欧州1年目と比べると……。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byMutsu Kawamori/AFLO
posted2020/03/15 11:50
エイバル戦でリーグ3ゴール目を決めた久保建英。リーガ1年目ですでに24試合に出場、6得点に絡んでいる。
城、西澤、大久保、家長……。
<ラ・リーガ>
城彰二(バジャドリー/1999-2000)※
15試合2得点
西澤明訓(エスパニョール/2000-01)
6試合0得点
大久保嘉人(マジョルカ/2004-05)※
13試合3得点
家長昭博(マジョルカ/2010-11)※
14試合2得点1アシスト
以前は「海外組の鬼門」と呼ばれたリーガ。乾貴士や柴崎岳の奮闘によってそのイメージは払拭されたが、城、大久保、家長も複数ゴールをマークしている。特に大久保はデビュー戦でいきなり削られながらもシーズン最終盤には残留争いの中、ゴールでチームを救っている。それから15年後、久保が同じマジョルカで大久保と同じ役割を果たそうとしているのが感慨深い。
家長の場合はヨーロッパ外国籍選手の保有制限で1月いっぱい出られなかった不運もあった中でレギュラーを確保した。現地マジョルカのメディアも、久保を報じる時に何かと2人の名前を引き合いに出している。
なお久保の場合、相当数の決定機を作っているのだが、チームメートがフィニッシュを……というケースも多い。残留を争うマジョルカより1つ上のクラスなら、もう少しアシスト数も伸びていたのではないか。
ヒデの衝撃デビュー、俊輔のスーパーショット。
<セリエA>
三浦知良(ジェノア/1994-95)
20試合1得点
中田英寿(ペルージャ/1998-99)
33試合10得点
名波浩(ヴェネチア/1999-00)
24試合1得点
中村俊輔(レッジーナ/2002-03)
31試合7得点
柳沢敦(サンプドリア/2003-04)
15試合0得点
小笠原満男(メッシーナ/2006-07)
6試合1得点
森本貴幸(カターニャ/2006-07)
5試合1得点
大黒将志(トリノ/2006-07)
7試合0得点
ここ四半世紀にわたってサッカーを見てきた日本人なら、フランスW杯直後の中田英寿は強烈に印象に残っているはず。開幕戦の王者ユベントス戦での2得点は、大げさでなく日本中に衝撃を与えた。
中田はシーズン通じて活躍し2ケタ得点を奪ったが、これは開幕当初は降格候補筆頭扱いだったペルージャも、多士済々だったことも大きいだろう。
後にクロアチア代表の飛び道具となるラパイッチ、物凄い短パンでビッグセーブを連発するマッツァンティーニらを寄せ集めたガウチ会長……。ガウチ会長は今年2月に亡くなったが、こういったプロビンチアの流れがたくましく生き残るセリエAはやはり魅力である。
中村の数字も十分に凄い。2002年日韓W杯のメンバー落選直後でのセリエA挑戦。フィジカル的な課題を指摘する声が多かった中でもシーズン通じてレギュラーを守り切り、タフさを証明した。そして必殺のプレースキックでも、ホームのローマ戦でファーサイドに構えたGKペリッツォーリの頭上を撃ち抜くスーパーショットを決めている。