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<ベイスターズをのぞいてみよう!>
三原代表が見据えるDeNAの未来。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byHirofumi Kamaya
posted2020/03/14 20:00
単独インタビューに応じた三原代表。選手だけでなく、コーチの人材育成ができるような環境を整えている。
ドラ1森は間違っていなかった。
中長期的な視点に立って、チームを育てる。そのベースとなっているのがドラフト会議だ。
「これも高田前GMの教えなのですが、チームを強化していくことにおいての理想は、素質のある選手をドラフトで獲りファームで育て、それを繰り返していくこと。以前は戦力的にそうも言っていられない状態でしたが、ようやく一昨年のドラフトぐらいから素質のある高校生を上位で獲って育てるといった状況にシフトすることができたんです」
昨年はドラフト1位で、大方の予想を裏切って桐蔭学園高の森敬斗を指名。将来的な課題であるショートの育成を考えてのことだった。
「ドラフト会議で森の名前がコールされたとき他球団さんのテーブルから“やられた”という空気が伝わってきたんです。おそらく外れ1位で指名を考えていたのでしょうが、その点からもわれわれの選択は間違っていなかったと確信しています。
森の育成に関し、わたしからチームに伝えているのは、とにかくショートとして育てて欲しいということです。センターラインは野球において非常に大切な要素ですから、そこはじっくりとやってもらえれば。また森にかぎらず今回のドラフトは全指名、うちのニーズに即した理にかなった獲得ができたと確信しています」
ファーム施設も充実、三軍は?
戦力となる選手を多く育てるといった命題において、他球団のように三軍を作るという考えはないのだろうか。昨年夏から運用が始まったファーム施設『DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA』は、最先端の練習環境はもちろん多くの選手、寮生を受け入れるキャパシティは十分にあるように思える。
「いや、三軍構想はありませんし、現時点でまったく考えていないのが正直なところです。一方で、今季からBCリーグに神奈川フューチャードリームスが誕生し、先方から依頼を受けるかたちで協力していくことになりました。球団からは監督として鈴木尚典を派遣したり、また育成選手の試合出場機会を増やすなど、互いにプラスになるよう交流を今後も広げていけたらと思っています」