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“たかがリーグ杯”3連覇の大偉業。
揺れるマンCで輝く19歳フォデン。

posted2020/03/08 09:00

 
“たかがリーグ杯”3連覇の大偉業。揺れるマンCで輝く19歳フォデン。<Number Web> photograph by Getty Images

下部組織出身でグアルディオラ監督の期待も厚いフォデン。今回のリーグカップ決勝で見せたプレーを続ければ、将来の軸となれるはずだ。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 3月1日、マンチェスター・シティは、ウェンブリー・スタジアムでの決勝でアストンビラを2-1で下し、リーグカップ3連覇を成し遂げた。

 たかがリーグカップという意見もあるだろう。だが、1960年に始まった同カップの歴史において、3年以上連続で優勝したチームは'80年代前半、黄金期にあったリバプールしかいない(この時は4連覇)。つまり、偉業と呼んで差し支えのないタイトル獲得実績と言える。

 リーグカップがプレミアリーグ、FAカップに次ぐ第3の国内タイトルであるのは事実だ。そうだからこそ、3連覇は選手層の厚さと勝利意欲の高さの証でもある。

 今回の決勝は、ペップ・グアルディオラ采配が的中し、敵地で先勝を収めたCL16強、レアル・マドリー戦第1レグの4日後に行なわれた。MFケビン・デブライネが「偽9番」を務め、FWガブリエル・ジェズスが左ウィングで起用された大一番から先発8名が入れ替わったが、シティはウェンブリーで勝者となった。

長々と優勝を喜ぶグアルディオラ。

 勝利への飽くなき意欲は、監督キャリア11年で29個目のタイトルを手にしたグアルディオラ自身が体現している。

 シティの指揮官がウェンブリーのトンネルへと姿を消したのは、試合終了から45分ほどが過ぎてから。優勝セレモニーが終わった後も、8万超の観衆を集めたスタジアムの半分を埋めたファンの前でガッツポーズを見せ、感謝の拍手喝采を送り、時には「滅相もない」と言いたげなジェスチャーで歓声に応え、選手やチームスタッフを呼んで記念写真に収まった。

 長々と優勝の喜びをシティの仲間たちと分かち合うその姿が、価値あるタイトル獲得であることを物語っていた。

 セレモニー後のピッチ上では、デブライネとラヒーム・スターリングが、それぞれ片手の指を4本立ててツーショットに収まっていた。グアルディオラ体制下で通算8度目の主要タイトル獲得を意味するポーズだ。

 現体制で初優勝を飾った2年前のリーグカップ以来、シティは国内で獲得可能な計9冠のうち8冠に輝いている。翌朝の国内紙は「グレート(great)」を“GREIGHT”と綴ったり、「ドミネイト(dominate)」を“DOMIN8”と見出しで「8」を強調。グアルディオラ率いる偉大なシティによる国内制圧を讃えた。

【次ページ】 リバプールと過去3季の成績を比較。

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