かつてのエースが監督として……。

　インザーギは2010年にラツィオで現役引退し、そのままU-17チームの指導者へ転向、2016年4月にトップチームの監督に就いた。

　かつてのエースストライカーが監督となって、古巣を20年ぶりの優勝に導く。ストーリーとしては美しいが、サッカー界でこれほどの難題もない。いざ実現させるにはどれだけの献身と熱意が必要になるのだろう。

「スクデットを獲ってから20年が過ぎた。でも、あの日の興奮は今もはっきりと覚えている。今季のチームにはあのシーズンと同じ手応えがあるんだ」（インザーギ）

　暦は3月に入った。

　大穴の旨味はだいぶ減ってしまったけれど、ラツィオに賭けるのは今からでも遅くはない。