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リバプール優勝ほぼ確定の今こそ、
来季の補強ポイント2つを挙げる。 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2020/03/04 11:50

リバプール優勝ほぼ確定の今こそ、来季の補強ポイント2つを挙げる。<Number Web> photograph by Getty Images

トレーニング場に集う豪華な面々。そんなクロップ率いるリバプールの夏の補強計画や、いかに?

シティが罰を受けたらリバプール1強?

 ファビーニョを除く主力が大怪我をせずに稼働できたことが、今シーズンの勝因といって差し支えない。

 マンチェスター・シティは、ポゼッションに欠かせないアイメリック・ラポルテが昨年8月31日のブライトン戦で右膝を負傷。およそ5カ月の戦線離脱を余儀なくされた。トッテナムは1月1日にハリー・ケイン、2月16日にソン・フンミンを負傷で失った。両選手ともに今シーズン絶望の重傷である。

 UEFAに続きプレミアリーグもシティにペナルティを科すとしたら、シティの控訴も実らず罰則が適用されたら、来シーズンのプレミアリーグもリバプールの天下が続く。

 現時点でマンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、アーセナルは戦力で大きな後れを取り、夏の市場だけで盛り返すのは不可能だ。チェルシーの主力を形成する若者たちは伸びしろがあり、潤沢な補強費も準備されたようだが、リバプールの牙城に迫るまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

左SBロバートソンの負担軽減を。

 ただ、クロップ監督をはじめとする強化委員会は戦力を精査し、連覇に向けて万全な体制を整えなくてはならない。2019年夏はセップ・ファンデンベルフとハーベイ・エリオットに先行投資しただけだが、'20年夏は即戦力が必要だ。

 第一に左サイドバックである。

 ロバートソンの負担を軽減できる者はどこかにいないものだろうか。ジェイムズ・ミルナー、ジョー・ゴメスもこなせるとはいえ、やはり専門職を獲得した方がいい。上下動を繰り返すだけではなく、パスを引き出したり、ポゼッションに絡んだり、ピンポイントクロスでアシストしたり、リバプールのサイドバックは求められる仕事が多い。

 クロップのお眼鏡に適うタイプはなかなかいないものの、ロバートソンになにかあったときの備えだけは整えておくべきだ。アカデミー出身のネコ・ウィリアムズは、まだ物足りない。

 OBのジェイミー・キャラガー(現解説者)は「ドルトムントのジェイドン・サンチョとRBライプツィヒのティモ・ベルナー。夏はダブル獲り」を勧めていた(リップサービスか!?)。情報の信憑性として大きすぎる疑問符が付くタブロイド紙『デイリー・メール』は、「ブレーメンのミロト・ラシカに急接近」と報じていた。

 しかし、リバプールの実状を踏まえると、前線よりも左サイドバックの補強が優先だ。

【次ページ】 ミルナー&ヘンダーソンの年齢。

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