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藪恵壹「ボーア、彼は打ちますよ」
今年の阪神に期待できる理由は?
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2020/02/28 20:00
藪氏が期待するジャスティン・ボーア。クリーンナップとして打線を牽引する活躍を期待したい。
“中継ぎ王国”は継続の予感。
陣容が大きく変わったことで不安視もされた中継ぎ陣ですが、蓋を開けてみれば先発より過酷な競争となるかもしれません。
新外国人のジョン・エドワーズが披露している鋭い曲がりのスライダーは、昨季中継ぎエースとして大車輪の活躍を見せたピアース・ジョンソンを彷彿とさせます。藤川球児、岩崎優、能見篤史らとともに、強力なリリーフ陣を築いてくれるでしょう。
浜地真澄、望月惇志らの若手も非常に楽しみです。枠の関係で少なくともどちらかがベンチ外となってしまうことがもったいないですね。怪我や再調整で出遅れている島本浩也やオネルキ・ガルシアもシーズン半ばには上がってくるでしょうから、今年も“中継ぎ王国”は続きそうです。
今季は東京五輪が開催されるため、7月22日から8月13日まで23日間の中断を挟みます。シーズン途中で長めの休養が取れるわけですから、それを見越して前半戦から積極的に中継ぎを使ってほしいですね。この布陣なら、2012年に記録したチーム防御率「2.65」を超える成績が残せるかもしれませんよ。
ボーアの見逃し三振はいい“エサ撒き”。
さて、気になる打者陣に目を移してみると、こちらも新外国人に期待が高まります。
特にジャスティン・ボーア、彼は打ちますよ。ここまでオープン戦ではノーヒットですが、私が注目したのはヤクルト・小川泰弘から奪われた見逃し三振です。最後の球は外角への真っ直ぐでしたが、ストライクゾーンを見極めていたのか、ボールだと確信を持っていたのか……いずれにせよ、あれは試合なら打っているところですよ。気を揉む必要はないですし、むしろ良い“エサ撒き”ができていると捉えるべきです。
ただ、右手に手袋をしていないことは気になりますね。今はいいかもしれませんが、アウトコースを打ち始めるといずれインコース攻めが来ますから、ガードを着けないのは心配です。