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藪恵壹「ボーア、彼は打ちますよ」
今年の阪神に期待できる理由は?
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2020/02/28 20:00
藪氏が期待するジャスティン・ボーア。クリーンナップとして打線を牽引する活躍を期待したい。
懸念は左打者過多と近本の打順。
同じく新外国人のジェリー・サンズもステップの幅が狭く、変化球への対応力は高そうです。ただ、一塁はボーアが守るでしょうし、外野手は近本光司と糸井嘉男に加え、守備も良くなっている高山俊を使っていくべきだと思います。控えには福留孝介もいますし、しばらく彼の出番はないかもしれません。
と、例年になく希望の持てる野手陣ですが、心配なことがひとつ。それは、「左打者が多すぎる」ということです。
内野の開幕スタメンは、セカンド・糸原健斗、ショート・木浪聖也、サード・大山悠輔、キャッチャー・梅野隆太郎ではないかと予想しますが、そうすると野手8人のうち大山と梅野を除く6人が左打ちの選手ということになってしまいます。
矢野監督が打ち出している“2番・近本”構想も気になります。
俊足の選手を2番に置くこと自体は、併殺を防ぐという観点で効果的です。しかし、近本は既にオープン戦で併殺を1つ記録してしまっています。昨年見せていた切り込み隊長として走り回るスタイルの方が彼には合っているような気がしますし、併殺をとられるくらいなら2番に置く必要はないのではないか、というのが私の考えです。
さらに左打者の多さも考えると、糸原、近本、糸井、ボーアと1番から4人連続で左バッターが並んでしまうことになりかねません。あまりこだわりすぎず、柔軟に考えてもらいたいところです。
昨シーズンは巨人に対し開幕6連敗を喫し、優勝への流れを渡してしまったタイガース。欲張らずに1勝ずつ積み重ねて、良いスタートを切ってほしいですね。