ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
DeNA左腕兄弟の“末っ子”坂本裕哉。
今永昇太に学び、東克樹に託され。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byAsami Enomoto
posted2020/03/01 11:40
坂本は1997年7月28日、福岡県生まれ。福岡大大濠高、立命館大を経てドラフト2位でDeNA入団した。
ラミレス監督の言葉で火が点いた。
坂本がキャンプで初めて打撃投手としてマウンドに立った2月14日、最速143キロのストレートに変化球を織り交ぜ47球投げたが、ラミレス監督は「いいポテンシャルを持っている」としながら「今の球速だとセ・リーグの打者は一番打ちやすい。回転数も含め上げていかないと」と、物足りないといった評価を下した。
この言葉で坂本の心に火が点く。初の実戦登板となった19日に行われたロッテとの練習試合では、148キロのストレートを投げ2回2安打無失点。2奪三振でラミレス監督の要望に一発で応えている。
「ラミレス監督に指摘を受けたので、練習試合では見せていこうと全力で投げました。真っ直ぐの強度を上げながら、スライダー、チェンジアップでも空振りを取れたので、そこは自信になりましたね。まだキャンプ中ですが、全然通用しないことはないのかなって」
課題をしっかりとクリアするクレバーな面はもちろん、利発な顔つきとは裏腹な負けん気の強さは、いかにもピッチャーといった風情である。
「真っ直ぐで押していきたい」
この日、バッテリーを組んだ伊藤光も坂本を次のように評価している。
「僕が思っていたよりも球が強く、切れがありましたね。最初は技巧派のイメージだったのですが、試合前に話してみると、真っ直ぐで押していきたいと。変化球でもカウントが取れるし勝負球にもなると言っていたので真っ直ぐを中心に全部投げさせました。十分やっていける資質はあると思いますよ。自分の意思をもって発言できるし、そこはルーキーだろうがベテランだろうが関係ない。話していて強く伝わるものがありましたし、こっちとしては何とかしてあげたいなって」