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巨人、期待薄外国人の評価が急上昇。
オタクのモタとブラジル人ビエイラ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/02/23 09:00
育成契約だが、紅白戦などで活躍を見せているイスラエル・モタ。今季、一軍に定着できるか(左はキャッチャーの大城卓三)。
「阿部監督のところだけには戻りたくない」
そして2年目の今季は阿部慎之助二軍監督が、その打撃に注目してマンツーマンで鍛え上げてきた。
そうして一軍が沖縄キャンプに移動する直前に一軍に昇格すると、原辰徳監督からも「今までのうちにいないタイプのバッターだ」と開幕前の支配下登録は確実となっている。
「とにかく明るいし、『サボったら二軍に行かすぞ!』というと『阿部監督のところだけには戻りたくない』と言っているよ」(原監督)
19日の中日との練習試合では2回の第1打席で右中間を破ると俊足を飛ばして最後はヘッドスライディングの三塁打を放つと、4回の第2打席でも左前安打。
「あれだけ振れるというのは技術がある証拠ですよ。面白いと思っています」
原監督は支配下登録ばかりか、一軍での起用を含めて期待を膨らませている。
菅野「あいつ、ヤバイっすよ!」
一方のビエイラ投手はNPBでは珍しいブラジル・サンパウロ出身の右腕。2017年にシアトル・マリナーズでメジャーデビューを果たすと、18年はシカゴ・ホワイトソックスで中継ぎとして16試合に登板。昨年も6試合、メジャーのマウンドに立っている。
「ビエイラ、観ました? あいつ、ヤバイっすよ! もう150㎞超える凄いボールを放っていますからね」
2月の初旬に宮崎キャンプを訪れたとき、菅野智之投手は顔を合わせるなり、開口一番、こうまくしたててきた。
昨年15勝をマークした山口俊投手がメジャー移籍し、その穴埋めで獲得したのは、昨年、韓国プロ野球で17勝を記録したエンジェル・サンチェス投手だった。
ビエイラは年齢的にも27歳で、即戦力というよりは少し長い目で2、3年で戦力に仕立て上げられればという目論見で獲得した選手だった。
ところがキャンプ中盤に先発陣の一角を期待されていたC.C.メルセデス投手が左肘の違和感で戦線離脱。抑えのルビー・デラロサ投手とともに、セットアッパーとして1年目からの活躍が期待される選手となった。