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巨人、期待薄外国人の評価が急上昇。
オタクのモタとブラジル人ビエイラ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/02/23 09:00
育成契約だが、紅白戦などで活躍を見せているイスラエル・モタ。今季、一軍に定着できるか(左はキャッチャーの大城卓三)。
巨人の2人の外国人選手の評判。
イスラエル・モタとチアゴ・ビエイラ。
キャンプを通じて巨人の2人の外国人選手の評判が上がってきている。
モタ外野手は2年前の2018年オフに巨人がドミニカ共和国で行っているテストで入団してきた24歳の育成登録選手だ。
ドミニカでのセレクションは、一芸に秀でているが、何かが足りなくてアメリカ球界では活躍の場のない選手を掘り起こそうと始めたものだった。
松井秀喜以来の飛距離。
「とにかく日本人であれだけ飛距離を持っている打者はなかなかいないと思います。打撃練習でも、あれだけ飛ばすのは松井秀喜以来ですよ」
獲得直後にこう語っていたのは大森剛統括スカウト兼国際部課長だった。
実はモタは2017年のトライアウトでは「まだ身体ができていなくて線が細かった」(大森課長)と1度、落選している。
それからドミニカの社会人野球で野球を続けながら浪人生活を送り、トレーニングを積んで188センチ、98キロまで身体を作り上げて'18年のテストに再挑戦して入団にこぎつけた。
浪人中には日本のアニメにハマって「ワンピース、ナルト、ドラゴンボール、七つの大罪……。みんな面白いしとてもいいです」とオタクぶりを披露。同時にラーメンにカレーライスなど日本の食事も大好物と日本文化に溶け込む速度も急ピッチだ。
昨年はファームで22試合に出場。1本塁打をマークしたが、練習ではジャイアンツ球場の電光掲示板を直撃する特大弾を放つなど、触れ込み通りの飛距離で首脳陣の注目を集めてきた。