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巨人、期待薄外国人の評価が急上昇。
オタクのモタとブラジル人ビエイラ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/02/23 09:00
育成契約だが、紅白戦などで活躍を見せているイスラエル・モタ。今季、一軍に定着できるか(左はキャッチャーの大城卓三)。
バックネット直撃の大暴投も。
持ち味はとにかく菅野を驚愕させた豪速球だ。
メジャー時代は167㎞をマークしたこともあり、初実戦となった2月18日のロッテとの練習試合では、球団のスピードガンで158㎞を記録。1回を無安打無失点に切り抜けて、開幕一軍入りへと大きくアピールする快投を見せた。
ホワイトソックス時代には投球練習でバックネット直撃の大暴投を投げるなど、制球力不足が最大の課題と言われている。
宮崎キャンプではフリー打撃に登板して25球を投げたが、その内20球がボール球と不安のスタート。同じく宮崎での13日のフリー打撃登板でも31球中19球と半分以上がボール球で制球が不安だったものの、この練習試合では1四球と別人のようにストライクゾーンにボールが集まった。
戦力構想には含まれていなかっただけに――。
「外国人選手は4人という枠の中でどう使うかという制限がある。それでも2人とも着実に階段を上がっているのは確か。特にモタは相手にとっても嫌なイメージを与える打者になる可能性があると思う」
原監督の2人への評価だ。
新戦力はキャンプからオープン戦と相手チームがデータ収集を行い、開幕からその対策を本格的に実施する。
オープン戦で活躍していても、むしろデータ収集のために、打者には相手チームがわざと得意なところに投げて打たせているケースもあるし、投手には打者が球筋を確認するために好球に手を出さないこともある。
だからこの時期に新外国人選手の評価で一喜一憂するのは禁物なのだ。
それでもモタとビエイラはもともとの戦力構想には含まれていなかっただけに――。このキャンプで掘り出し物感が一気に膨れ上がっているのである。
そうなると、巨人ファンもまた騒がしい。