FC東京のブラジリアン3トップ。

＜また「個人名ではないけど」と前置きしながらも、水沼氏が注目するのは、盟友・長谷川健太監督が待望していた強力3トップだ。悲願のリーグ優勝のためにFC東京が獲得した助っ人はどんな働きを見せると予想するか。＞

　レアンドロ、アダイウトン、そしてディエゴ・オリヴェイラ。この3人は楽しみでしかないですよね。昨季、堅守速攻のFC東京が優勝を逃した要因として得点力が挙げられました（総得点46点はリーグ7位）。

　課題は前線がゴールを獲れないとき、つまりディエゴと永井（謙佑）が止められたときに誰が獲るかでした。チャンスメイクに長けた東（慶悟）や高萩（洋次郎）、三田（啓貴）はもちろん頼りになりますが、どこからでもゴールを獲れる、狙えるという意味での強烈な「個」の補強は必要だった。

　何より、今季のディエゴは楽しそうにしているのが印象的。ブラジル人同士、言葉が通じることはメンタル的にも大きなプラスになる。それは新たに加わった2人も同じ。レアンドロは鹿島で確固たる信頼を築けなかった。アダイウトンも磐田で怪我や降格の憂き目にあった。

　つまり、それぞれがモチベーション高く東京にやってきた。その中心にディエゴがいる。アルトゥール・シルバもいますから、彼らが伸び伸びできる環境は整っていると思います。

健太監督から感じるモチベーション。

　日本代表で経験を積む橋本（拳人）が攻撃陣を支える中盤の底に控えていますし、ジョアン・オマリを補強した守備陣はある程度、計算が立つ。前線のトライアングルが噛み合えば、間違いなく今季も優勝候補の1つです。

　ちなみに健太がこういうサッカーをすることは、これまであまりなかったんじゃないかな。昨季終わった時点で新しいチャレンジを、という意欲はすでにあった。クラブとして「優勝」が最大のターゲットであることに変わりはないですが、選手と同じように、監督としても1年戦い抜く上でどんなサッカーをするかというモチベーションは必要なんです。

　その意味で、今季はこの3トップで点を獲りにいくことを前面に出したシーズンになるでしょう。

　ACLがあり、五輪の影響で昨年同様にアウェー連戦もあるわけですから、そこを乗り切るための、助っ人たちの奮起に期待したいところです。

【次ページ】　ガンバで注目は小野瀬と昌子。