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秋山翔吾はメジャーでも迷わない。
柔軟な思考と、評判のいい英語。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAP/AFLO
posted2020/02/20 11:40
秋山翔吾は3年総額23億円以上の契約でレッズに迎え入れられた。その評価には、彼の思考の柔軟性も織り込み済だっただろう。
メジャーでは新人、プロ野球のベテラン。
プロ野球に限らず、どんな職場でも新しく加わった人間には、多少なりともその環境に馴染む努力が必要だ。それは秋山にとっても同じだったが、彼は「新人」として必要以上に媚びることなく、「メジャーリーグ」にいる人々に接していた。
過去に日本プロ野球からやって来た選手たち同様、秋山もまた、メジャーリーグの「新人」にして、プロ野球の「ベテラン」である。
それはレッズの監督やコーチ陣も理解している。
たとえば、日本プロ野球のそれとは違って投本間の距離も短ければ、1球ごとの間隔も短い「アメリカ式」の打撃練習に合わせるため、秋山は打席の中で右脚を上げたり、上げなかったりして打っていた。
それを黙って見守っていた元西武のアラン・ジンター打撃コーチが声をかけたのは、秋山がいろいろと工夫しながら強いライナーを飛ばし始めた頃だったという。
あえて情報はいれすぎない。
「昨日より僕も少し足を上げないように打ちたいなと思っていて、やっていたんですけど、やっぱり自分自身のタイミングが取れなくなっていて、今日は少し足を上げて間を取れるような打ち方にしたのが、打撃コーチにしたら良かったと。彼がそう感じてくれて、自分も変えたところを見てもらったので、意思の疎通が取れたことがありがたい」
アメリカ式打撃練習についての情報は広く流布されていることだが、用意周到に準備をしてきたのかと思いきや、あえてそうしなかった部分もあるようだった。
「あまり情報は入れすぎないようにと思ってました。(何が起きても)こんなことはあることだと思えればいい。自分の形でしかできませんというのじゃ、日本でもどのチームに行っても成功しない。
順応であったり、対応であったり、それだけでも自分の幅が今、広がったなと感じている」