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秋山翔吾はメジャーでも迷わない。
柔軟な思考と、評判のいい英語。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byAP/AFLO

posted2020/02/20 11:40

秋山翔吾はメジャーでも迷わない。柔軟な思考と、評判のいい英語。<Number Web> photograph by AP/AFLO

秋山翔吾は3年総額23億円以上の契約でレッズに迎え入れられた。その評価には、彼の思考の柔軟性も織り込み済だっただろう。

青木宣親「秋山はやっていけるタイプ」

 前にも聞いたようなコメントだな、とすぐに思い出した。今は東京ヤクルトでプレーする青木宣親だ。そう言えば、1月にロサンゼルス郊外で自主トレーニングをしていた青木は、秋山についてこう言っていた。

「すごく柔軟な考えをしているタイプだと思うし、いろんな変化にも気づくタイプだと思うから、大丈夫だと思う」

 ブルワーズ時代、控え選手からレギュラーとなった青木の言葉は、社交辞令ではない。フレンドリーだが用心深く、どんなことでもチャレンジするようで実は慎重なメジャーリーグの先人は、「可愛い後輩」に対する視線も冷静だった。

「秋山に限らず、実際にやってみなければ分からないってことですよ。来る前の日本での成績がどうとか言うけど、その時の(体の)状態とか、モチベーションもあるし、そんなのは関係ない。(アメリカに)来てみてどうかってこと。

 俺なんか日本の最後なんか最悪だったし、それでメジャーに来て何とか結果を出せてやっていけたのは、こっちに来てから頑張れたからだよ。そういう意味で秋山なんかはやっていけるタイプだと思う」

「分からない」を分かるために。

 やってみなければ分からない――。

 秋山が今、アリゾナ州フェニックスの郊外の田舎町にあるキャンプ地で感じているのは、その「分からない」部分を分かるようにするプロセスなのかも知れない。

 もちろん、それは簡単な使命ではない。昨季の地区王者で元巨人のマイルズ・マイコラス投手らがいるカージナルスや、ダルビッシュ有投手らがいるカブス、一昨年のプレーオフでドジャースのエース、クレイトン・カーショウから本塁打を打った「プチ二刀流」ブランドン・ウッドラフ投手らがいるブルワーズなど、好投手揃いのナ・リーグ中地区でプレーすることになる。

 とはいえそこでどう戦うかよりも、彼はまず、チーム内の競争に生き残らなければならない。

【次ページ】 レッズの外野手を争う4人のライバル。

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