酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
新型肺炎の影響に佐々木朗希人気。
2020プロ野球キャンプに異状あり?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/02/17 19:00
佐々木朗希の投球練習には多くの報道陣、ファンが訪れた。この中で新型肺炎対策をする球団スタッフには頭が下がる。
宮崎のソフトバンク人気が凄い。
「人気」という点では、宮崎のキャンプでは、ソフトバンクの人出がすさまじかった。土日には2万人を超すファンが詰めかけた。
JR宮崎駅からは、ソフトバンク、巨人、オリックスの各キャンプ地に向けて臨時直行バスが運行されているが、その便数を見れば人気のほどがわかる。
ソフトバンクの生目の杜運動公園までは、平日7便、休日15便。巨人の宮崎県総合運動公園とオリックスの清武総合運動公園までは、ともに平日3便、休日7便。圧倒的に便数が違う。
もともと宮崎県の春季キャンプは60年以上前に巨人が開拓したものだ。ダイエー時代のホークスの宮崎キャンプにも行ったことがあるが、王貞治監督が采配を振っていた十数年前はそこまでの人出ではなかった。宮崎駅には巨人キャンプ行きのタクシーがずらっと並んでいた。巨人人気が圧倒的だったのだ。
巨人の宮崎県総合運動公園には、JR日南線でも行けるためにバス便が多くないという一面もあるが、人気でもソフトバンクが逆転した感がある。
シートの一部を有料販売に。
ソフトバンクのキャンプでは、メイングラウンドであるアイビースタジアムの客席の一部を「おもてなしシート」として2100円で予約販売している。「商魂たくましい」ということではない。ソフトバンクのキャンプ地には、九州各地からファンが押し寄せる。
しかしメインスタンドのいい席は、朝早く来た地元・宮崎のファンが先に押さえがちになる。なので、せっかく遠路はるばる来たお客のために予約シートを用意したということなのだ。おみやげも付いているし、雨天の場合は2100円分の宮崎の名産をもらえるという。
また今年からリフター車に乗って高さ10mの中空からメイングラウンドを見下ろすアトラクションもできた。とにかく「お客を楽しませる」という点でも、この球団はトップクラスなのだ。