酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
新型肺炎の影響に佐々木朗希人気。
2020プロ野球キャンプに異状あり?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/02/17 19:00
佐々木朗希の投球練習には多くの報道陣、ファンが訪れた。この中で新型肺炎対策をする球団スタッフには頭が下がる。
今季のキャンプは早めの調整。
今年のプロ野球春季キャンプはとにかく、調整スケジュールが早かった。何しろ東京オリンピックの影響で、ペナントレースの開幕が昨年より9日も早まったのだから、キャンプの日程も前倒しにならざるを得ない。
寒い宮崎でも、初旬からブルペンに入る投手が多かった。それだけ自主トレで調整してきたのだろう。幸いにも今年の宮崎は2月上旬に暖かい日が続いたが、これも異例のことである。ソフトバンクで投手の故障が相次いでいるのは、この調整と無関係ではないかもしれない。
紅白戦など実戦形式の練習も始まるのが早かった。そしてオープン戦も始まっている。ソフトバンクだけでなく、早手回しのスケジューリングが、選手のコンディションに影響を及ぼす可能性はあるだろう。
韓国球団の減少、新型コロナ対策。
そんな中で、プロ野球界も国際情勢と無縁ではないと思うことがいくつかかあった。
昨年まで2月の練習試合では、韓国プロ野球(KBO)のチームがNPB球団にとって格好の相手になったのだが、日韓関係の悪化によってか宮崎、沖縄で春季キャンプを張るKBO球団自体が激減している。
昨今の新型コロナウイルスの影響も、感じるところがあった。
沖縄を訪れる中国人観光客が激減していることもあってか、球場に向かうための移動手段であるモノレールが空いていた。もともとプロ野球春季キャンプに来る中国人はいなかったとはいえ、沖縄県内の移動はかなりスムーズになっており、国際通りも人の往来は少し少なくなっていた。
そして各球団の春季キャンプ地の受付には、アルコール消毒剤が設置されていた。
また「咳や発熱の症状がある人はお帰りください」という掲示がされているのが印象に残った。2月16日時点ではプロ野球関係者やメディアに感染者、発症者は出ていないが、球団関係者としては戦々恐々だろう。