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ジョコビッチを追い詰めた勇者ティーム。
BIG3時代に生きる「幸せ」とは?

posted2020/02/05 19:00

 
ジョコビッチを追い詰めた勇者ティーム。BIG3時代に生きる「幸せ」とは?<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

またも初のグランドスラム制覇はならなかった。しかし得意のクレー、全仏なら……と思わせる力が今のティームにはある。

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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Hiromasa Mano

 また、壁を崩すことはできなかった。

 昨年の全米オープンの決勝で23歳のダニール・メドベージェフがフルセットの末にラファエル・ナダルに敗れ、2020年最初のグランドスラム全豪オープンの決勝では26歳のドミニク・ティームがノバク・ジョコビッチにセット2-1から逆転負けを喫した。

 ジョコビッチの全豪オープン優勝は、大会最多記録となる8回目。グランドスラム通算17回目の優勝はロジャー・フェデラーの20回、ナダルの19回に次ぐものだ。そして、そのトップ3人によるグランドスラム・タイトルの寡占は連続13大会に延びた。ビッグ3以外の優勝者は、2016年の全米オープンでのスタン・ワウリンカが最後だ。

 過去にこの3強による寡占期間が一番長かったのは、2005年の全仏オープンから2009年のウィンブルドンまでの18大会。もっとも、この間にジョコビッチが優勝したのは2008年の全豪オープンのみで、ほぼフェデラーとナダルの2強だったといっていいのだが、まだ全員が20代だったあの時代にいったん終止符を打ったのは、当時20歳だったファンマルティン・デルポトロだった。

 とにかく、ナダルがグランドスラム初栄冠を得た2005年の全仏オープン以降、3人以外のグランドスラム覇者はそのデルポトロ(2009年全米)とワウリンカ(2014年全豪、2015年全仏、2016年全米)とアンディ・マリー(2012年全米、2013年・2016年ウィンブルドン)とマリン・チリッチ(2014年全米)の4人、計8大会しかないのだ。

フェデラー戦は5勝2敗と勝ち越し。

 この間、決勝に挑んだ選手でグランドスラム無冠の選手は10人いるが、その中で唯一3度目の決勝進出を果たしたのが、過去2年の全仏オープンでも準優勝しているティームだ。

 現役のグランドスラム優勝者が全員30歳を過ぎた今、次のチャンピオンにもっとも近いと見られているのが、昨年9月で26歳となった。

 特にフェデラーには5勝2敗と勝ち越しており、昨年のインディアンウェルズでそのフェデラーと決勝では初めて対戦してマスターズ初優勝を果たした。

 優勝スピーチで「僕より88回も多く優勝しているあなたに、準優勝おめでとうなんてとても言えません。同じ時代に戦えることを光栄に思っています」とはにかみながら柔らかな声で語った次代の王者候補は、それからさらに4回のツアー優勝を重ね、ATPファイナルズでは準優勝した。

【次ページ】 今回の全豪ではナダルを撃破。

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