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鹿島がどうしても欲しかった男。
MF和泉竜司「中核を担わないと」 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2020/02/04 11:40

鹿島がどうしても欲しかった男。MF和泉竜司「中核を担わないと」<Number Web> photograph by Takahito Ando

水戸とのプレシーズンマッチに出場したMF和泉竜司。ACLは敗れたが、Jリーグ開幕へ向けて着々と歩みを進める。

「チームの核を担っていかないと」

 自らを奮い立たせる、奥底から湧き出るエネルギーを大事にしたい。チャレンジをすることは、さらなる飛躍を遂げるために大事なアクションだった。

「短いサッカー人生の中で、チャレンジする機会はそんなに多くないと思います。A代表に入る目標も自分の中では大きく、より成長したいという気持ちが強い。鹿島というクラブは誰が見ても、『チャレンジしに行くんだな』ということが伝わるクラブだと思う。鹿島じゃなかったら残留していたかなという思いは正直、あります。

 必要とされなくなって移籍したわけではないからこそ、新天地でより結果を出さないと叩かれるし、代表が遠ざかるリスクも当然ある。でも、それがあるからより反骨心というか、熱を持ってこの先のサッカー人生を歩いていけると思ったんです」

 大きな覚悟を持って踏み出した。だが、その一歩目で、厳しい現実を突きつけられた。メルボルン戦後、周囲の厳しい声を真摯に受け止め、同時に鹿島の一員になった覚悟を自らに強烈に問いかけた。

「僕は今、26歳。チームの核を担っていかないといけない年齢になってきた。だからこそ、鹿島でもただ出番を掴むだけでなく、下の年代を引っ張って、ベテランと融合させながら、チームを戦う集団として円滑に構築していかないと、本当の意味で鹿島に貢献するとは言えません。初戦でそこを強烈に痛感させられました」

 鹿島は、勝つことで評価されるクラブ。それが常勝軍団たる所以だろう。

「1つのタイトルを失った敗戦は、どんな理由であれ、とてつもなく重い。この重さを胸に刻んで、これから歩んでいきたいです」

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鹿島アントラーズ
和泉竜司

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