高校と変わりがなさ過ぎて、怖いくらい。

　河村は、突然の起用にもまったく動じることがなかった。むしろ、1カ月前に高校バスケでプレーしているときと変わりがなさ過ぎて、怖いくらいだった。

　この日の河村は、22分の出場時間で8得点、3アシスト。1週間前にチームに合流したばかりの高校生が、デビュー戦でこれだけ出場し、スタッツを挙げられるだけでもすごいことだが、「（デビューの緊張が）吹っ切れた」と振り返る翌日の第2戦は、さらに圧巻だった。

　今季最多となる3846人の観客が見守る中、河村はスピードに乗ったドリブルでディフェンスを切り裂き、変幻自在のパスで仲間を活かし、勝負強い3ポイントシュートで勢いを作った。

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　終わってみると、河村はチームトップの21得点を挙げていた。

　ハドルの中心で指示を出し、手を叩いて仲間たちを鼓舞する姿は、“お客さん”の高校生ではなかった。この日の三遠ネオフェニックスは、間違いなく河村勇輝のチームだった。

河村の表情に初々しさや安堵は一切ない。

　記念すべきデビューシリーズを戦い終えた後も、河村の表情に初々しさや安堵は一切なかった。

　千葉との2ゲームはどちらも敗北。「チームの勝利に貢献できなかったのが悔しい」と、自らの挙げた得点など気にも留めていなかった。

　2試合を通して感じた、高校バスケとプロの違いを問われると、こう話した。

「一番は、審判ですかね。ファウルの（笛が）鳴る基準が高校とは違っていました。あとは、体力の使い方。1戦目は前半飛ばしすぎて、後半少し失速してしまいました。今日はうまくコントロールできたと思います」

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