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得点王争いで独走するインモービレ。
ラツィオ、20年ぶりの優勝へ期待感。
posted2020/01/18 09:00
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph by
Getty Images
2020年1月11日、セリエA第19節。ラツィオvs.ナポリは0-0で試合終盤に差し掛かっていた。ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督が就任間もないナポリは猛攻を仕掛け、多くのチャンスを作った。
ラツィオはGKトマス・ストラコシャを軸とした堅守で耐え、迎えた82分。パスコースを探そうとボールを足下に置いて周囲を見回したナポリGKダビド・オスピナに、エースストライカーであるチロ・インモービレが猛然と詰め寄る。そこで一気にボールを奪い、ガラ空きとなったゴールにボールを放り込む。ナポリDFジョバンニ・ディロレンツォがカバーに入るが間に合わず、ゴールが決まった。
この1点が決勝点となり、ラツィオは競り勝った。これで10連勝。
1998-99シーズンに樹立したクラブ記録を塗りかえた。クラブの黄金期の数字に肩を抜いたということである。
20年ぶりのスクテッド獲得へ。
この勝利により、前半戦を終えたリーグ戦は首位ユベントス(勝ち点48)と6差の3位。しかも、絶対王者に唯一の黒星をつけているのがラツィオである。第15節の対戦では先制を許しながらカウンターで攻略し、選手1人を退場に追い込んだうえに3得点を奪って勝利した。ユーベには12月のスーペルコッパでも競り勝っている。
こうなると熱を帯びるのは、1999-00シーズン以来となる20年ぶりのスクデット獲得によせる期待感である。
「正直に言えば、スクデットを奪うのにあとわずかのところまで来ていると思う」
かつてラツィオの選手として優勝の美酒を味わったシモーネ・インザーギ監督は、地元メディアに成長の実感を口にしている。指揮官の言葉どおり、ラツィオの実力は果たして本物なのか――。