“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
王者・青森山田が優勝候補だが……。
選手権で見たい注目選手リスト!
posted2019/12/28 11:40
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
12月30日に幕を開ける全国高校サッカー選手権大会。今回で98回目を迎える、歴史ある大会は毎年正月の風物詩として多くの注目を集めている。
この時期になると、「今年の選手権優勝はどこか?」と聞かれることが多いのだが、組み合わせの偏りや日程的な部分も加味すると答えることが難しい。実力や総合力でみると青森山田が優勝候補筆頭だが、彼らは最大の激戦ゾーンに入ったため、決して安泰ではないだろう。
ということで、今回のプレビューは勝ち上がり予想ではなく、選手にスポットを当てようと思う。北から順に注目高校のキープレイヤーを紹介する。
プロ内定者だけじゃない青森山田。
前回大会を制し、今年の高円宮杯プレミアリーグ王者でもある青森山田(青森)には、浦和レッズ内定のMF武田英寿、横浜FC内定の古宿理久との2人に注目が集まるが、レギュラーを獲得してきた選手たちも、経験、実績ともに申し分ない。なかでも2年生CB藤原優大はこの1年間で急激に伸びた印象を受ける。
DFとしての佇まいに迫力が増し、空中戦、対人の強さ、球際の激しさ、シュートブロックのうまさは、チームの壁となっている。もともと、ボランチやトップ下でもプレーしていたように、前への推進力がある。パスも出せる万能型だけに、その風格に頼もしさすら感じる。
そして、プレミアファイナルで決勝弾を決めたMF松木玖生も、1年生ながら藤原同様に臆することなく堂々とプレーしている。身体のキレと得点感覚があり、相手の危険なゾーンで決定的な仕事ができるスーパールーキーだ。
また、左サイドバックの神田悠成も高いアップダウン能力とスピードを誇り、堅守からの攻撃参加はチームのアクセントとなっている。