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リバプールでの出場試合、得点……。
南野拓実、どれほどの数字なら合格?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byLiverpool FC/ Getty Images
posted2020/01/01 08:00
2019年12月31日、南野はリバプールでの初練習に臨んだ。サラーらとてつもなく厚い選手層のなかで存在感を発揮できるか。
黄金期を支える“フロントスリー”。
クロップ監督の「ヘヴィメタル・フットボール」は今や、グアルディオラ監督のマンチェスター・シティ王朝を飲み込む勢いである。
2018-19シーズンこそあと一歩プレミア王者に及ばなかったが今季は首位を快走中。そしてCL王者として臨んだクラブW杯でも決勝でフラメンゴを倒し、38年前の雪辱を果たした。今まさに黄金期と言って過言ではない。
それを支える“フロントスリー”は、ヨーロッパで最強クラスとも称されるサラー、マネ、フィルミーノだ。3人とも正真正銘のワールドクラスである。
これまで数多の日本人選手が各クラブでチーム内競争に挑んできたが、南野が対面する壁は、間違いなく今までの誰よりも高い。
プレミアリーグ得点王の名誉に浴したサラーとマネ、そしてセンターフォワードながら“最強の黒子”になれるフィルミーノ。3人ともシーズン当初からの加入で、冬加入である南野とは違う状況である。
それを承知の上で、3人がレッズに加わった直後のシーズンにどれだけの実績を残したのか見てみよう。
サラーの成績はえげつない。
数字は移籍情報専門サイト『transfermarkt』から。CLは本戦からで、カッコ内は出場時間数。PLはプレミアの略だ。
・サラー(2017-18)
PL:36試合32得点11アシスト(2920分)
CL:13試合10得点5アシスト(929分)
FA杯:1試合1得点(90分)
合計:50試合43得点16アシスト(3939分)
・マネ(2016-17)
PL:27試合13得点6アシスト(2247分)
リーグ杯:2試合2アシスト(180分)
合計:29試合13得点8アシスト(2327分)
・フィルミーノ(2015-16)
PL:31試合10得点8アシスト(1983分)
リーグ杯:5試合(412分)
EL:13試合1得点3アシスト(931分)
合計:49試合11得点11アシスト(3326分)
やはり、サラーの成績はえげつない。
それとともに三者三様で”らしい”成績を残している。
特に南野にとって最大の壁となるだろう、センターフォワードのフィルミーノである。
サラーやマネにスペースを与える秀逸な動きなど”数字以外”の面がフォーカスされるが、1年目からきっちりとリーグ戦2ケタ得点をマークしている。また先日のクラブW杯でも準決勝、決勝で2試合連続ゴールを決めてチームを栄光に導いたのだから末恐ろしい。