菊池雄星の「Stand Up」BACK NUMBER
菊池雄星が感じた日本とMLBの違い。
「個人が持つ自由と責任」
text by
菊池雄星Yusei Kikuchi
photograph byAFLO
posted2020/01/08 11:40
菊池雄星のメジャー1年目は試行錯誤の年だった。新たな場所で、新たな能力を身につけるために。
上下関係やルールすらも自己責任。
また、メジャーでも上下関係はありますし、ルールもある。「ルーキーはベテランよりも早くグラウンドに来なさい」とミーティングで言われることもありますし、遅刻に関してはとても厳しい罰則があります。ルーキーはマッサージをあまり受けてはいけないという「暗黙の了解」も存在します。
その点は日本と同じですが、訓示があった翌日にルーキーがきっちり早く来るかといったら、こない選手もいる。それに誰かが何かを言うこともない。
結果が出なければ代わりがいるのを知っていて、練習をしてもいいし、しなくて結果が出なくても、最後は自分で責任を取ればいいんでしょという考えなのだと思います。
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ひとつひとつの行動に対して、自分の責任で決めることが当然とされているように感じます。
日本とメジャーで調整方法などが違うのは、個人が自由と責任を持っているかどうかに起因しているのだと思います。
「なぜやるのか」、「どういう目的でやるのか」を常に自分に問うことが、結果を出す為に必要な事だと思います。その事にもっと早く気づきたかったと今は思っています。