月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
2019年のスポーツ紙の主役はシブコ。
あのゲンダイも褒める言葉力と笑顔。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byAP/AFLO
posted2019/12/31 08:00
全英女子オープン優勝後、瞬く間に人気者となったシブコ。各紙面を言葉と笑顔で彩った。
魅力的なシブコの言葉力。
渋野がスポーツ新聞に相性が良いのはその言葉力もある。
では最終戦を終えたあとの渋野インタビューをスポニチから抜粋しよう(12月2日)。どこから読んでもスポーツ紙が喜びそうな言葉があふれている。
――今年もあと1カ月。何かやっておきたいことは。
「ポケモンを全クリしたいのと、今日、あまおう(イチゴ)をデビューしたので、めっちゃ食べたい」
――年末年始の予定は?
「クリスマスに親知らずを抜きます。悲しいクリスマス」
――19年をひと言で。
「謎(笑い)。いろんな意味で謎です」
ああ、これはおじさん食いついちゃう。どこ使っても紙面「映え」する言葉。オヤジジャーナル孝行娘である。みんな渋野にやられてる。
あのゲンダイまでもが絶賛。
そんな渋野記事のクライマックスを紹介しよう。思わず私が目を見張ったやつ。
『渋野日向子 人間力 何から何まで異質』(日刊ゲンダイ・12月3日付)
日刊ゲンダイである。スポーツ紙だけでなくタブロイド紙でも渋野は注目されていたのだが、この記事はどう書かれていたか?
『渋野にはギャラリーを引きつける不思議な魅力がある。』
『けれん味のないゴルフ』
『これまで仏頂面でプレーしていた連中は、「自分」を変えなければ、ファンに見向きもされなくなるだろう』
なんと、あの辛口でおなじみのゲンダイ師匠が絶賛しかしていないのだ!