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2019年のスポーツ紙の主役はシブコ。
あのゲンダイも褒める言葉力と笑顔。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byAP/AFLO

posted2019/12/31 08:00

2019年のスポーツ紙の主役はシブコ。あのゲンダイも褒める言葉力と笑顔。<Number Web> photograph by AP/AFLO

全英女子オープン優勝後、瞬く間に人気者となったシブコ。各紙面を言葉と笑顔で彩った。

褒めたのはソチ五輪の羽生以来。

 いや、騙されないぞ。どこかに皮肉や嫌味があるはずだ。だってカーリング女子のときもスポーツ新聞やほかのメディアが盛り上がっているなか、

『「もぐもぐタイム」だとか「検索ランキング上昇」だとかバカじゃないか』(2018年2月22日付)と言っていたゲンダイ師匠じゃないか。ただでは終わらないはずだ(それにしても「バカじゃないか」ってすごかった)。

 そう思いながら記事の最後を読んでみると、

『気負うことなく、自然体でゴルフファンをワクワクさせる人間力が渋野には備わっている。』

 ゲ、ゲンダイ師匠が素直に褒めて終わってるーーーー!

 これは事件である。日刊ゲンダイがこれだけスポーツ選手を真正面から褒めたのはいつだったか。私の記憶では羽生結弦のソチ五輪以来だ。あのとき羽生がショートプログラムで史上初の百点越えでトップに立ったのだが、その見出しは、

『羽生 金当確 本紙もケチつけられず』(2014年2月15日付)

 だった。

 渋野はそれ以来の快挙と言ってよい。

 というわけで朝刊スポーツ紙はもちろん、辛口の夕刊紙まで夢中にさせた渋野日向子。
 私は迷うことなく「シブコ」に2019年のオヤジジャーナル大賞を差し上げたい。

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渋野日向子

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